【ジャパンC】打倒イクイノックスはどの馬か リバティアイランド、ドウデュース、タイトルホルダーを徹底比較
忘れられぬ府中の夕暮れ 2007年アドマイヤムーン
どうしてもジャパンCと聞くと2007年の激戦が忘れられない。アドマイヤムーンとポップロックがほぼ並んで入線し、メイショウサムソンと3歳牝馬のウオッカが最後まで迫った一戦だ。 【ジャパンカップ2023 注目馬】脚質、展開問わず力を発揮、能力は断トツのNo.1! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA) その日は最終レース後も妙に余韻に浸りたくなり、夕暮れのなか競馬場を歩いていた。17時を過ぎると一面が暗くなり、オーロラビジョンの明かりが芝生を照らして、神々しい雰囲気だったことを今でもはっきりと覚えている。名勝負は何年経っても色褪せることがない。 今年の主役はなんといってもイクイノックスだろう。しかし、牝馬三冠を達成したリバティアイランド、前走からの巻き返しを狙うドウデュース、GⅠ・3勝のタイトルホルダーなど実力馬が出走を予定している。そこで今回はこの3頭にスポットをあて、「打倒イクイノックス」に一番近い馬を探していく。
天皇賞(秋)敗退組の巻き返しが目立つ
まず3頭の前走レース別成績を過去10年データから見ていく。 リバティアイランド 秋華賞【1-1-1-3】 ドウデュース 天皇賞(秋)【6-3-6-36】 タイトルホルダー オールカマー【0-0-1-5】 まずはリバティアイランドが該当する秋華賞組。2018年にはアーモンドアイが2分20秒6の世界レコードで圧勝。20年にはデアリングタクトがGⅠ・8勝のアーモンドアイ、無敗の三冠馬コントレイルとの激闘のなか3着に入るなど、三冠牝馬ならジャパンCでも好走できている。 1986年以降で見ても、秋華賞勝ち馬が次走ジャパンCに出走したときは【2-1-2-1】と好成績を残している。2勝は2012年ジェンティルドンナと18年アーモンドアイでともに三冠牝馬だ。12年のジェンティルドンナは前年の三冠馬オルフェーヴルとの叩き合いを制した。今回イクイノックスが斤量58kgに対し、リバティアイランドは54kg。4kgの差を味方にどれだけ迫れるか注目だ。 次にドウデュースが該当する天皇賞(秋)組について見ていく。特筆すべきは同組が圧倒的に強いこと。古馬王道路線なだけに当然かもしれないが、この点はドウデュースにとって好材料となる。天皇賞(秋)敗退組は当日の人気がポイントで、4番人気以内【5-2-2-7】勝率31.3%、連対率43.8%、複勝率56.3%と好成績を残している。反対に5番人気以下は【0-1-1-29】勝率0%、連対率3.2%、複勝率6.5%と巻き返しが難しい。 14年エピファネイア、15年ショウナンパンドラ、19年スワーヴリチャードが天皇賞(秋)で馬券圏外から巻き返しているだけに3、4番人気でも軽視は禁物だ。 タイトルホルダーが該当する前走オールカマー組は、過去10年で連対した馬はおらず、昨年のヴェルトライゼンデの3着が最高。1986年以降で見ても同様だ。こういったことを踏まえると実力、実績ともに十分と分かっていても、強く推すことは出来ない。