【ジャパンC】打倒イクイノックスはどの馬か リバティアイランド、ドウデュース、タイトルホルダーを徹底比較
3頭の国内成績を振り返る
ここでは3頭の国内成績を詳しく振り返っていく。 リバティアイランド 通算成績【5-1-0-0】 ドウデュース 通算成績【5-1-1-1】 タイトルホルダー 通算成績【7-3-0-6】(競走中止を含む) リバティアイランドは昨年の阪神JFと今年の牝馬三冠でGⅠを4勝。唯一の敗戦が東京競馬場で行われたアルテミスSの2着。このときは直線で進路を確保するのに手間取ったが、最後はしっかりと追い込んできた。2400m以上はオークスしか経験がないが、この時後続につけた1.0秒差はグレード制導入以降の当レースの最大着差。それまでの最大着差がジェンティルドンナの0.8秒差だったことを物差しにすれば、十分すぎる結果だろう。 次にダービー馬でGⅠ・2勝のドウデュース。前走の天皇賞(秋)で初めて掲示板を外したとはいえ、国内での成績は十分。東京競馬場は【2-0-0-1】と得意にしている。意外だったのが、国内の2400m以上のレースは日本ダービーだけということ。馬体の成長も含め、久々の2400mがどうか。 タイトルホルダーは3頭の中では最年長ということもあり、GⅠ・3勝を含む最多の7勝をあげている。2400m以上の長距離戦では競走中止の1戦も含め【4-0-0-4】。長距離戦に強いイメージがあっただけに着外4回は意外だった。しかし、本格化前の日本ダービーと、大外枠に入った2021年有馬記念、海外遠征明けの22年有馬記念の敗退なだけに、過度な心配は不要だろう。むしろ今年の日経賞は8馬身差で圧勝しており、同型のパンサラッサとの折り合い次第では、03年のタップダンスシチーのような激走があるのでは、と胸騒ぎすらしている。
東京芝2400mに強い川田将雅騎手とドゥラメンテ産駒
東京競馬場の芝2400mはとにかくタフなコース。バックストレッチまではほぼ平坦で、3コーナー手前から緩やかな上り坂。3、4コーナーにかけて下り坂で、最後の直線には高低差2.1mの坂が待ち受けている。このコースで馬の力を計りながらコントロールする騎手には、それなりの経験が求められる。 ここでは2018年11月1日から2023年11月19日までに行われた、東京芝2400mの150レースを集計し、騎手と種牡馬の成績を調べていく。まずは騎手別成績から詳しくみていく。 川田将雅【3-6-4-21】勝率8.8%/連対率26.5%/複勝率38.2% 戸崎圭太【8-12-5-56】勝率9.9%/連対率24.7%/複勝率30.9% 横山和生【0-3-0-16】勝率0.0%/連対率15.8%/複勝率15.8% リバティアイランドに騎乗予定の川田将雅騎手は3勝止まりだが、連対率と複勝率は高い数字を残している。同コースでのGⅠ勝ち(リバティアイランドのオークス)もあるように心配はいらないとみる。 ドウデュースに騎乗予定だった武豊騎手は、今回も怪我の影響で無念の乗り替わりとなった。同馬の騎乗予定は、前走の天皇賞(秋)でも騎乗した戸崎圭太騎手だ。戸崎騎手は美浦所属で当該コースの経験も豊富。3人の中では最多の8勝を挙げており、勝率、連対率、複勝率の全てで武豊騎手(【3-3-2-25】勝率9.1%、連対率18.2%、複勝率24.2%)を上回っている。コース成績の観点からは決してマイナスではない。前走はいきなりの乗り替わりで7着に敗れたが、再び舞い込んだビッグチャンスで逆転を狙っているはずだ。 物足りないのはタイトルホルダーに騎乗予定の横山和生騎手で、美浦所属ながら勝ち星がない。ただし単勝1桁台の馬に4回しか騎乗していない。2着3回を上出来とみるべきか悩ましい。3コーナー4番手以内の先行馬に騎乗したときは【0-3-0-4】と2着3回。当該コース初勝利がジャパンCでも驚きはない。 次に種牡馬別成績を見てみよう。 ドゥラメンテ産駒【9-5-6-26】勝率19.6%/連対率30.4%/複勝率43.5% ハーツクライ産駒【16-11-10-114】勝率10.6%/連対率17.9%/複勝率24.5% 大種牡馬ディープインパクトが【32-29-23-165】で勝ち星トップ。勝率12.9%、連対率24.5%、複勝率33.7%。こう見るとリバティアイランドやタイトルホルダーの父ドゥラメンテの産駒がいかにこの条件を得意としているかが分かる。ドウデュースの父ハーツクライの産駒もハイアベレージだが、ドゥラメンテ産駒の数字の前では少々霞んでしまう。
2012年の再現を期待 相手筆頭はリバティアイランド
過去の秋華賞馬の成績、川田将雅騎手の実績、ドゥラメンテ産駒の得意舞台となれば、やはりイクイノックスの相手筆頭はリバティアイランドだろう。ジェンティルドンナがオークスで見せたパフォーマンスを上回ったことから、同馬がオルフェーヴルを破ったように、イクイノックス撃破の可能性は十分あるとみる。 《ライタープロフィール》 高橋楓。秋田県出身。 競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
高橋楓