阪神のドラフト1位岩貞は、なぜ勝てたのか
どこかの名監督が、「投手とは自己中心で我侭な人種で、それを投手型の性格と呼ぶ」と語っていたが、岩貞は、視野の広い捕手型の性格をも兼ね備えている。私はアスリートの性格については、成功者を後から分析して、後づけしたものにすぎないと、いつも考えているが、非常識と常識の両方を兼ね備える人こそ成功者の条件だろう。 たった2試合で岩貞のすべてを判断するのは早い。スライダーとカットボールを生かすため、もっと肝心のストレートを磨く必要があるし、コントロールミスも多い。今はボールのキレと腕の振りで通用しているものが、ローテーを長く守るとなると波も出てくる。だが、チームはメッセンジャー、能見、藤浪、岩田に続くローテーションの5番手候補として大きな期待を寄せている。 岩貞は「これからも自分のボールに自信を持って投げたい。次もチームが勝利できるようにテンポよく投げたい」と言った。試合後、和田監督は、慎重に言葉を選びながらも「この時期にこういう投手が出てきたのは非常に大きい。次も行く。そこで、どんなピッチングができるかだが、内容次第では5番手の位置に入ってくる可能性はあるな」と言った。中日戦には、ドラ6の岩崎が先発復帰する予定で、2人のルーキー左腕の競演が、チームに活力をもたらせば、1.5差で追う巨人への逆襲準備が整ってくることになる。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)