モナコ所属の南野拓実（撮影は第15節レンヌ戦） [写真]＝Icon Sport via Getty Images

　リーグ・アン第21節が11日に行われ、モナコは敵地でニースと対戦した。 　前節終了時点で10勝5分5敗の成績を残しているモナコは、現在5位につけている。順位的には上位に位置しているが、直近のリーグ・アンでは3試合未勝利が続いており、8日に行われたクープ・ドゥ・フランスのラウンド16では3部のルーアンを相手にPK戦で敗れるなど、チーム状態は決して上向いていない。 　嫌な流れを断ち切りたい今節は、ここまで11勝6分3敗の成績を残して2位につけるニースと敵地で激突。モナコに所属している南野拓実は先発に名を連ねた。前節ル・アーヴル戦では、AFCアジアカップカタール2023・準々決勝のイラン代表戦（●1－2）からおよそ24時間後にもかかわらず途中出場したことでファン・サポーターを驚かせ、前述のルーアン戦では「先発メンバーは1番から11番を着用しなければならない」という大会規定により背番号「10」を着用したことでも話題となったが、今節はリーグ・アン7試合ぶりのゴールにも期待がかかる。 　試合は16分、モナコは敵陣左サイド深い位置でボールを繋ぐも、1度やり直してボックス手前のデニス・ザカリアにパスを渡す。前を向いたザカリアは迷いなく右足を振り抜くと、強烈なミドルシュートでゴールネットを揺らした。ザカリアの“ゴラッソ”でモナコが幸先良く先手を取っている。 　続く24分には敵陣右サイドで得たフリーキックの流れから、ボックス内で混戦が生まれると、ルーズボールを拾ったティロ・ケーラーが右足を振る。当たり損ねたボールに反応した南野がダイレクトで狙ったが、ここはGKマルシン・ブルカが立ちはだかる。シュートを打った瞬間に後ろから寄せてきたメルヴァン・バールに倒されたが、ファウルの笛は吹かれなかった。 　前半はモナコのペースで進んでいたものの、34分にはニースが一瞬の隙を突く。ピッチ中央付近でボールを持ったダンテが左足でロングフィードを蹴り込むと、最終ラインの裏を取ったラウル・ルーシェがケーラーに倒され、PKを獲得。このPKをガエタン・ラボルドがゴール左下に流し込み、ニースが試合を振り出しに戻した。 　前半の終盤はニースに押し込まれるシーンを作られたが、モナコは体の張った守備でゴールを死守。1－1で後半に折り返すと、立ち上がりの50分に南野が大仕事をやってのける。敵陣右サイドに流れてスルーパスを引き出すと、ペナルティエリアの横からクロスボールを供給。ザカリアがこのボールに頭で合わせ、ヘディングシュートで逆転弾を沈めた。これで南野は今季のリーグ・アンで5アシスト目を記録。既に5ゴールを挙げていることから、今季の得点関与数が2桁に達した。 　さらに52分、敵陣中央でユスフ・エンダイシミイェのパスが乱れた隙を見逃さなかった南野がボールに詰めると、ダンテとの接触の際にすねの辺りを蹴られてしまう。足裏を見せてのアタックとなってしまっため、OFR（オンフィールドレビュー）を経てダンテにはレッドカードが提示された。 　数的優位となったことでモナコはボールを握る時間が長くなったが、10人のニースも決して諦めてはいない。74分、右コーナーキックを獲得すると、モルガン・サンソンが右足でアウトスイングのボールを蹴り込む。ファーサイドで競り勝ったエヴァン・ゲッサンが頭で押し込み、ニースが再び同点に追い付いた。 　だが、同点に追い付かれたモナコも即座に反撃へ。76分、敵陣中央の引いた位置でユスフ・フォファナからのパスを受けたウィサム・ベン・イェデルが背後のスペースへスルーパスを送ると、抜け出したイスマイル・ヤコブスが左足を振り抜く。ここはGKブルカが防いだが、こぼれ球をアレクサンドル・ゴロヴィンが押し込み、モナコが再び前に出た。 　試合はこのままタイムアップ。モナコはリーグ・アンで4試合ぶりの白星を飾った。南野は79分にマゲネス・アクリウシェとの交代でピッチを後にしている。一方、ニースは今後の優勝争いを見据えると痛すぎる黒星に。3試合ぶりの敗北となった。 　次節、モナコは18日にホームでトゥールーズと、ニースは16日に敵地でリヨンと、それぞれ対戦する。 【スコア】 ニース　2－3　モナコ 【得点者】 0－1　16分　デニス・ザカリア（モナコ） 1－1　37分　ガエタン・ラボルド（PK/ニース） 1－2　50分　デニス・ザカリア（モナコ） 2－2　74分　エヴァン・ゲッサン（ニース） 2－3　77分　アレクサンドル・ゴロヴィン（モナコ）