「作中屈指の技巧派」地球人最強説を再検証…『ドラゴンボール』歴代強者たちが称賛した「クリリンの実力」
■あのナッパを殺しかけた技、元気球を託せるのはお前だけだ…悟空からの圧倒的な信頼
クリリンが出す技はときに強敵を真っ二つにする威力もある。それがナッパとの戦いで繰り出した技・“気円斬”だ。 次々に地球人を殺していくナッパに対し、クリリンは円盤カッター状の光弾、気円斬を放つ。鼻で笑うナッパに対し、ベジータは「ナッパよけろーーっ!!!」と叫ぶ。その後ナッパの頬を切り、後方の岩山を真っ二つに切り裂いた気円斬。この凄まじい技を見抜いたベジータは、さすがエリート戦士といえるだろう。 さらにクリリンは強いだけではなく、仲間からの信頼も熱い。それは悟空から命がけで作った元気玉を託された攻撃シーンだ。 大猿化したベジータとの対戦で痛めつけられ、悟空は瀕死の状態となる。だがここで、地球中から集めて作っていた元気玉をクリリンに託すのだ。「がんばってくれ… こ…この気のコントロールは 悟飯じゃできない…」 と、絶対の信頼を寄せる悟空。 クリリンはその期待に応え、見事元気玉を完成させる。そして界王様の助言通り“悪の気”を感じ取ることに集中し、元気玉をベジータに向けて放つのであった。 作中屈指の技巧派と言われるクリリンだが、確かに彼は強敵に対し、効果的な技を編み出す才能に優れているように思う。また自分では生み出せないような強力な気も巧みに制御し、自分のものとして扱える高い技術を持っているのだ。
■ベジータや悟飯からもその動きや技は賞賛されている
クリリンは味方のみならず敵からもその動きを賞賛されることが多い。 まずは先ほど紹介した、ナッパとの戦いシーンにて。クリリンはナッパの横顔を蹴りつけたあげく、ナッパの攻撃から素早く身をかわしている。その様子を見たベジータは「動きだけはなかなかのものだ」と、クリリンの動きをほめている。 またベジータとの戦いで死んだ仲間を生き返らせるため、悟飯とブルマの3人でナメック星に向かったクリリン。長い旅路のなか、宇宙船内で悟飯とイメージトレーニングをするのだが、悟飯は「クリリンさんの技の多さにはビックリしました!」と舌を巻いていた。 さらにナメック星において最長老と会った際、最長老はクリリンに対し“あなたは地球人なのにとびぬけた力を持っている”と見染められ、眠っている力をさらに引き出してもらっている。 そんなクリリンはのちに人造人間18号と結婚し、娘のマーロンの前で久しぶりに天下一武道会に出場する。“おとうさんだいじょうぶかなあ…”と心配するマーロンに対し、そばにいたヤムチャは「おとうさんは世界でいちばん強いんだ! 地球人の中じゃね…」とクリリンの強さを評価している。 クリリンは『ドラゴンボール』では一応脇役の立場にあるが、このように多くの主要キャラからその強さを称賛される希有な存在なのだ。 クリリンは戦闘力だけを見れば、悟空やべジータには到底かなわない。しかしクリリンはそんな彼らから立ち回りの良さや、気のコントロールのうまさをいつも称賛されている。そう考えるとクリリンは「強い戦士」というよりは「戦技に秀でている戦士」といえるのだろう。 どの世界においてもただ強いだけでなく、戦術に長けている人物は必要だ。クリリンは『ドラゴンボール』において、まさに高い視座からさまざまなルートを見出せるキャラといえるだろう。
でかいペンギン