ルペン氏、マクロン大統領の「内戦」発言は脅しだと非難
(ブルームバーグ): フランスの極右政党、国民連合(RN)を率いるマリーヌ・ルペン氏は、マクロン大統領がRNと左派連合の政策が「内戦」につながる可能性があると非難しているのは、同大統領が30日に投票が始まる下院選挙で敗北すると分かっているからだと述べた。
ルペン氏は25日午前にRTLラジオで、大統領は「いつも 『自分か混沌か』の選択だと言って選挙運動をしているが、それは非常に弱い議論で、自身の負けを認識していることを示すものだ」と語った。
マクロン大統領は24日、極右や極左陣営が掲げるアジェンダ(政策課題)は国民の相互対立をあおり、「極端な主張に傾く」政党は 「内戦」を引き起こしかねないと警告した。
マクロン大統領は「ジェネラシオン・ドゥー・イット・ユアセルフ」ポッドキャストのインタビューで、RNの犯罪・治安対策について、「特定の宗教や出自の人々に言及しており、分断を招き、内戦を引き起こす」と語った。
急進左派の「不屈のフランス」も同じように敵対心をあおるセクト主義的な政治を売り込んでいるとマクロン氏は主張した。
マクロン陣営のますます強硬な発言は、第1回投票まで1週間を切り、世論調査で中道政党がRNと左派連合の新人民戦線に後れを取っている中で有権者を引きつけるための最後の試みを反映している。ある世論調査会社は、RNが国民議会で絶対多数を獲得する可能性さえ示唆している。
2週間前にマクロン大統領が突然に総選挙を決めてから、大統領の陣営は極右や極左が政権を握る危険性を主張してきた。ルメール経済・財務相は、RNが政権を取れば「市民の平和」が損なわれるとし、極右も左派も経済に悲惨な結果をもたらすだろうと警告した。
野党はマクロン陣営が有権者をおびえさせるために恐怖をあおっていると非難している。不屈のフランスのジャンリュック・メランション党首は25日、マクロン氏の「内戦」発言を否定し、フランス人を分裂させがちなのは大統領だと述べた。