コベルコ建機が初投入、電動ショベルの長所
2025年度中に欧州市場で
コベルコ建機は2025年度中に欧州市場で、1・7トン機種と7トン機種のバッテリー式電動ショベルを投入する。電動ショベルはディーゼルエンジン式に比べて高価格であるものの、排ガスがなく作業音も小さいことから環境意識が高い欧州をはじめ、都市土木や夜間工事向けに需要が見込まれている。同社にとって電動ショベルの投入は初めて。欧州での実販売を通じて、電動ショベルの需要動向を探るとともに建設現場での使用課題を検証する。 コベルコ建機は電動ショベルのほかに、水素燃料電池式ショベルの試作機も開発済みだが、水素の供給インフラなどの問題から普及は電動ショベルが先行すると見ている。 25年度に投入予定の1・7トンと7トンの電動ショベルは、稼働時間がそれぞれ6―7時間、4―5時間程度。昼休みに補助的に充電すれば1日分の稼働は可能と見ている。 建機業界ではコマツがホンダと共同開発したカセット交換式電池の電動マイクロショベルを発売している。コベルコ建機はそれよりも大きい機種で差別化する。 コベルコ建機のショベルはもともと、低燃費である点が顧客から高く評価されている。今回の電動ショベルや水素燃料電池ショベル開発を対外的に示すことで、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向けた建機開発の姿勢をアピールする狙いもある。 電動ショベルは設計図面通りに施工する3次元(3D)マシンガイダンスとも親和性が高く、この長所からの顧客アプローチも探ると見られる。