スターダムとマリーゴールドを往来するSareee「闘いたい相手がいるリングに行くだけ」
「心の中ではジュリア行け!って言ってましたよ(笑)」
両者の出会いは19年6月の「田中稔デビュー25周年記念大会」。田中の妻・府川唯未がプロデュースした試合で、Sareeeとジュリアがシングルで闘ったのだ。ディアナの王者Sareeeにアイスリボンのジュリアが胸を借りる図式である。 「やってみて、アイスリボンにもこんなにガッツのある、ガツガツくる選手がいるんだと驚きました。若手とやる感覚じゃなく、ムキになってやり合えた。将来すごい選手になるんだろうなっていう印象が残りましたね」 ジュリアがアイスリボンからスターダムに電撃移籍した際にも、Sareeeは大胆な登場に衝撃を受けたという。初対面からわずか4カ月後の出来事だ。 「あのやり方が悪かったのかよかったのかはわかりません。でも、変わりたい、殻を破りたいって意欲を行動に移したのがすごい。なので、心の中ではジュリア行け!って言ってましたよ(笑)」 とはいえ、当時はまだ対戦の意識はなかった。意識し始めたのはジュリアの活躍をアメリカで伝え聞くようになってからだ。 「あのときのジュリアが女子プロ界をリードし、すごいことになってる。それから、闘ってみたいと思うようになりましたね」 「目立つ選手と闘いたい」というのがプロレスラーSareeeのモチベーションなのだろう。Sareeeだけではない。しだいにジュリアもSareeeとの闘いを意識する発言が増えてきた。もちろん、Sareeeはスターダムでの再会を期待していた。そうなると思っていた。ところが、ジュリアの退団により、新団体で実現することに。 「スターダムでやるものだと思っていたので、そこはビックリしたところですね。でも私は、闘いたい相手がいるリングに行くだけなので。場所がスターダムであろうがマリーゴールドであろうが、どこでもいいんですよ。(団体の事情とか)まったくわからないけど、私はプロレス界の歴史に残るような闘いをやっていきたいんです」 両者の高まる思いがピークに達したところで迎えたマリーゴールド旗揚げ戦は、Sareeeが初来日のボジラと組んでジュリアから直接勝利を挙げてみせた。ボジラとは初対面だったものの、そういった選手とタッグを組むのはWWEで数多く経験してきただけに戸惑いはなかったという。詩美との初遭遇も刺激的だった。そして、7・13両国国技館での「ジュリアvsSareee」も決定した。しかし、ジュリアがその試合で右手を負傷。しばらく欠場することに。一騎打ちに暗雲が立ち込める…。 「前哨戦なんて要らないと思ってます。それはいいから、万全な状態にして戻ってこいと。そうじゃないと意味がないですからね」 7・13両国のあとには自主興行「Sareee-ISM」も待っている。しかも7・29&9・2(ともに新宿FACE)の2大会が一度に発表されたのだ。自主興行は過去3回開催。そのすべてで超満員札止めを記録してきた。そんなSareeeが自主興行にかける思いとは…。 「全部、私自身が動いてやるので大変ではあるけど、私自身のカードだけじゃなく、ほかのカードもプロデュースするので、私の見せたいプロレスが見せられるんですよ。なので、すごく楽しいし、やりがいがありますね。今年の夏は、『Sareee―ISM」でみなさんに最高の思い出を作ってもらえるようなドリームな闘いを見せたいと思っています!」 岩谷に負けたままでは終われない。ジュリアとは決着をつけたい。橋本、彩羽匠も最高のライバルだ。また、最大のライバルのひとり、中島安里紗が8月で引退する。その中島からSEAdLINNNGのシングル王座を奪ったのがSareee(6・12新宿で神姫楽ミサと2度目の防衛戦)。 アフター両国の自主興行をSareeeがどんな状況で迎えるのか、大きな期待とともに注目される。
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