【神宮大会】史上5校目の「4冠」達成の青学大 3年生右腕・中西聖輝が快投を継続できた理由
負けないピッチャー
11月25日 神宮 【第55回記念明治神宮野球大会】 ▼決勝 青学大7-3創価大 第55回記念明治神宮野球大会の大学の部の決勝が11月25日に行われ、青学大が初優勝。年間タイトル4冠を達成した。春、秋リーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会とすべてを制したのは、72年の関大、89年、97年の近大、02年亜大、08年東洋大以来、史上5校目(6度目)である。 【選手データ】中西聖輝 プロフィール・寸評 青学大の3年生右腕・中西聖輝(3年・智弁和歌山高)は先発で8回2失点。堂々の優勝投手は「負けないピッチャー」である。 2年春のリーグ戦デビューから東都では8勝負けなし。今秋は自己最多6勝を挙げ、初の最優秀投手とベストナインを受賞した。今年6月の全日本大学選手権2回戦(対福井工大)で勝利投手、そして、今大会の福岡大との2回戦を8回途中無失点で勝利投手。創価大との決勝でも、安定感抜群の投球を披露した。 「うれしい気持ちです。でも、終わってしまったか、と……。悲しい気持ちもある。もっと、もっと、4年生と野球をやりたかった」 決勝前夜。相模原寮の大広間で主将・佐々木泰(4年・県岐阜商高)と顔を合わせた。背番号1のチームリーダーは福岡大との2回戦で、守備中に左肩を痛め、準決勝を欠場。決勝はコンディションを見て出場可否を判断する状況だったが、佐々木は「3年生で頼むぞ!!」と後輩に託す思いでいた。主将からの言葉に、中西は「日本一の主将にします」と誓った。「エースの児玉さん(児玉悠紀、4年・日大三高)とも、苦しい時期を乗り越えてきて、お互いでアドバイスしてきた仲。4年生にはお世話になりました」。有言実行だった。 広島からドラフト1位指名を受けた主将・佐々木だけでなく、ロッテ1位・西川史礁(4年・龍谷大平安高)もリーグ戦での死球による負傷の影響で、ベンチスタート。DH制がないため、1打席限定での出場だった。また、左の強打者・小田康一郎(3年・中京高)もシーズン中のケガにより、今大会もベンチ外。中心打者3人を欠くという危機的な状況だったが、選手34人の結束力で栄冠を手にした。 「主軸3人がいなくても勝ち切ることができたのは、安藤(寧則)監督が言い続けてきた『全員戦力』。誰がどのポジションで、どの打順に入ってもやるべきことをやる。それが、実践できたと思います」
