【高校野球】盛岡誠桜の先発・山口翔大が3安打完封勝利「一戦一戦、必死に戦っていきたい」
◆春季高校野球岩手県大会 ▽1回戦 盛岡誠桜5-0一関工(18日・花巻) 岩手1回戦では盛岡誠桜の先発・山口翔大(つばさ)投手(3年)が一関工を9回3安打完封。変則右腕が公式戦初完封を飾り、5―0で勝利した。 盛岡誠桜・山口に派手なガッツポースはなかった。オーバー、サイド、アンダーと使い分けて一関工打線を3安打完封。4月から横手と下手投げを習得中だという右腕は「うれしかったけど、全員が守備を粘り強くやってくれたおかげ」と仲間に感謝した。 一時は出場も危ぶまれた。同校では昨年度の3年生部員による引退後の飲酒、指導者の暴言やハラスメントが疑われている。日本高野連からは調査と結果報告を求められたが、学校側は自治などを理由に返答せず。そのため、附田政登校長は4月10日から5月24日まで謹慎処分となった。 石橋智監督は「どうなるのか、生きた心地がしなかった」と明かす。ただ、ナインには普段通り練習させたという。「どうなるかと思いましたが、子どもたちには練習させることが大事だと思った」 同校長は、処分の撤回を求めて不服申し立てをする考えだが、不透明な状況。指揮官は「まだ、どうなるか分からない」と神妙な表情で語った。主将でもある山口は「一戦一戦、必死に戦っていきたい」と言葉に力を込めた。今はただ、白球を追いかけることに集中する。(高橋 宏磁) ◆盛岡誠桜を巡る問題 昨年度の3年生部員の引退後の飲酒や、指導者の生徒に対するハラスメント行為の疑いがあった。日本高野連は調査と報告を求めたが、同校側は飲酒は退部届提出後であり、暴言は授業中の出来事として報告義務はないと主張。日本高野連は、日本学生野球憲章違反による厳重注意と調査・報告を求めたが、2度にわたり回答を拒否。4月から約1か月、謹慎処分となった校長は、処分撤回を求めて不服申し立てをする考え。
報知新聞社