徳島のJ1昇格がもたらす効果 J3クラブのロールモデルになれるか
ホームスタジアムは徳島市の中心部から車で30分ほど離れたところにあるため、決して便利とは言えませんが、W杯イヤーでサッカー熱が高まることを考慮すれば、多くのサポーターをスタジアムへ詰めかけそうです。来シーズン中に実現する話ではありませんが、徳島駅北側に“街中スタジアム”建設の構想がもともとあり、今回のJ1昇格で具体化する可能性も十分に考え、実現すれば、その経済効果は計り知れません。 ■J3クラブのロールモデルになれるか また、徳島のJ1昇格には、違った意味合いでも期待できると言います。「来年からJ3がスタートしますが、徳島のような比較的、人口の少ないエリアのクラブがJ1に昇格できたことや、その活動で得られる経済効果が大きいことを今後、実証していくことができれば、J3に参加するクラブのロールモデルになれると思います」(大野氏)。 J3入りが決まった盛岡、秋田やJ3入りを目指す八戸、山口などは徳島市と人口が似ており、来シーズン以降、徳島が成功することで、地域活性化としてJクラブの目指す役割が明確になり、1つのロールモデルになってくれるでしょう。 徳島の躍進は地元の徳島県内だけでなく、全国からも大きな期待が寄せられそうです。 ■大野知也(おおの・ともや) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルティング・国際事業本部 C&B室 チーフコンサルタント。専門領域は「地域開発と連携した小売・商業の新業態開発」や「スポーツマーケティング」をテーマとした事業戦略コンサルティング。また、民間分野のみならず、スポーツ施設を中心としたPFI/PPP 関連業務にも従事するなど、公共事業と民間事業の交わる領域を主たる活動領域としている。