エセナのステーブルコイン「USDe」需要低迷で時価総額1400億円減もドルペッグは堅守
価格の安定性
懐疑的な立場からは、エセナのモデルについて懸念が示され、破綻したステーブルコインプロジェクトであるテラ(Terra)とルナ(Luna)に例えられた。テラのアルゴリズムステーブルコインは、成長が果てた後、2022年5月から悪循環に陥り、暗号資産の厳しい冬の時代を招いた。 現在の不利な市場環境と大量の流出は、同プロトコルの安定性を証明する機会ともなった。 「過去数か月間に起きた市場における複数の大きな局面を、どうエセナが乗り越えていったかについては、満足している」と同プロトコルを開発するエセナ・ラボ(Ethena Labs)の共同創業者兼CEOであるガイ・ヤング(Guy Young)氏は述べた。「ストレステストには常にさらされてきており、これまでのペースで永久に成長し続けるのは明らかに不可能だ。」 USDeの価格は、流出の間も1ドルのペッグで安定しており、その後の引き出し需要を満たすための取引ポジションの解消は「すべて秩序正しく行われ、米ドルペッグにおいて問題はまったく発生しなかった」とヤング氏は付け加えた。 エセナは、必要に応じて資金調達レートを支払うために、準備資金と呼ばれる「雨の日(rainy day)」基金を維持している。 同プロトコルのリスクを最小限に抑えるために、準備金は少なくともUSDe供給量の1%である必要があると、モレノ氏は述べた。 「現時点ではこれが当てはまり、準備金は4500万ドル(約64億円)で、現在のUSDe時価総額の約1.6%だ」とモレノ氏は語る。 「投資家は、エセナのリスクを評価するうえで、この重要指標を注視する必要がある。」 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Ryan Quintal/Unsplash, Modified by CoinDesk|原文:Ethena's Yield Machine Sees $1B Outflows as Crypto Market Cools – But There's Good News
CoinDesk Japan 編集部