楽天・松井裕樹の開幕ローテーション入り決定!
流れるはずの登場曲は流れなかった。楽天・松井裕樹がマウンドに上がる際に、場内に流れるテーマミュージックに選んだ「今、咲き誇る花たちよ」(コブクロ)は、スタッフの手違いで流れず、違う曲がかかるアクシデント。 それでも、この黄金ルーキーは、3月5日、倉敷で行われたロッテとのオープン戦で、2試合目となる先発マウンドを5イニング、被安打4、6奪三振の内容で、0封にまとめ“プロ1勝”を手にした。四回が終わった時点で、佐藤投手コーチから「どうする?」と打診されたが、「まだ行けます!」と続投を志願。71球で、責任投球回数をクリアした。 「今はゼロという結果を求めています。ゼロに抑えられたことが良かった。(卒業式と新人研修などで)3日休んだことが、いい休養になりました」 ストレートのMAXは147キロ。6つの三振のうち4つは、チェンジアップ、スライダーで空振りを奪ったものだが、三回には先頭の大嶺翔をカウント3-2から、ズバッとストレートで見送りに斬ってとった。 プロで通用することを証明したスライダー、チェンジアップの打者の視界から消えるような変化球は、この力のあるストレートがあってのもの。星野監督も、「さすがというボールを投げる。それに抜けたボールが減ってきた。大きな舞台を経験してきた実戦派だな。高卒のルーキーとしては珍しい。大崩れしない」と大絶賛だ。 二回には二死一塁でボークを取られた。セットポジションでの静止が、されていなかったという判定。セット、クイックなど走者を背負ってからの細かい技術が課題としてあるが、本人は「勉強になった」という弁。この時期には、プロでの課題や問題が、浮き彫りになることを願っている星野監督も、ピッチング内容的には、プロを圧倒するので、「打たれて欲しいけど、打たれるとよくないし……、複雑だな」と苦笑いを浮かべるしかなかった。 松井・開幕投手説や、開幕立候補プランなどというものも流れているが、それについては松井は「まだまだ、そういう欲はありません」と、殊勝に辞退宣言。それでも「先発ローテーションに入って、1年間、投げ続けることが目標です」と、しっかりとビジョンを語った。