津市提案のこども計画に「子どもに権利はない」、全協で津市議が発言
11月7日に開かれた津市議会の全員協議会で、1人会派「至誠会」の岡村武議員(74)=5期目=が「子どもに権利はない」との発言を繰り返していたことがわかった。 2023年に施行された「こども基本法」に基づき、市町村は「こども大綱」などを参考に「こども計画」の策定を求められている。津市は来年3月の策定をめざし、「津市こども計画」(案)を全協に提出した。 岡村市議は全協で、その基本方針の一つ、「こども・若者の人格・個性や権利を尊重し、こども・若者にとっての最善の利益の実現をめざす」について、「子どもに何の権利があるのか」と質問。市側が「生まれながらにして権利を持っている」と答弁すると、「子どもに権利があったらえらいこと」と発言した。 他にも「子どもに人格なんてない。人格者って言うのか、子どものことを」「子どもには権利も義務もない」などといった発言もあった。 岡村市議は取材に「権利はつくるもの。人権は授かるもの」と述べ、「真剣に物事を考えてほしいとの思いを込めて、権利とは何かと発言した」と説明した。 日本は、すべての子どもの権利を保障するために1989年に国連で採択された「子どもの権利条約」を批准。18歳未満を子どもと定め、大人と同様に様々な権利の主体であると認めた。「こども基本法」も、すべての子どもが権利を守られ、幸福な生活を送ることができる社会をめざしている。(小林裕子)
朝日新聞社