耳の聞こえない私がスタバで働くまで 挑戦重ねつかんだ採用 筆談や指さし、静かな接客と笑顔で届けるぬくもり
感じた自分の変化 来店客のメッセージが励みに
「顔つきが明るくなったね」。久しぶりに会った友人の言葉に、自分の中で変化を感じた。来店客から手渡されたレシートに書かれた「応援しています」「頑張ってください」のメッセージが、日々の励みになっている。
店長「店の雰囲気明るくしてくれる」
店には、内田さんが働きだしてから手話を勉強し始めた店員もいる。ストアマネージャー(店長)を務める伊沢志歩美さん(31)は「内田さんがいない時も、店員同士が簡単な手話でコミュニケーションを取ることがある。内田さんの存在は店舗全体の雰囲気を明るくしている」と話す。
新たな目標
「耳が聞こえないことを恨んだことは一度もありません」。内田さんはこれまでを振り返り、筆談ノートにそう記した。今は店舗の中で、手話と筆談で接客する「手話カフェ」ができないかと考えている。「手話に興味はあるが、どう学べばいいか分からない人に、できることをしたい」。新たな目標に、胸をわくわくさせている。