被災した「のと里山海道」が復旧完了 イノアック住環境のウレタン発泡技術が難工事に貢献
イノアック住環境(名古屋市)は、独自のウレタン発泡技術を使って、能登半島地震で被災した金沢(金沢市)―奥能登(石川県穴水町)間の自動車専用道路「のと里山海道」(延長約90キロ)の復旧工事を行い完了した、と発表した。 半島の主要道路である「のと里山海道」は山を切り開き、土を盛り上げて整備されたが、盛り土のうち170カ所以上が崩落し、道路が寸断された。通常、土の部分が壊れたら土・砕石で直す、というルールがあるが、現場一帯の土は水分を含みやすく脆弱(ぜいじゃく)な地盤で、専門家からの助言でウレタンを活用した工法の採用が決まった、という。 土の代わりに硬質ウレタン樹脂を現場で発泡させて盛り土をする現場発泡ウレタン軽量盛土工法は、複雑な地形に対応でき、1990年にイノアックが世界で初めて施工に成功した技術という。ノンフロンのウレタン樹脂素材は、1分で30倍の体積に膨らみ、5分で人が乗れるくらいの硬さになるなど、施工性がよく、これまで山岳道路の拡幅工事のほか、道路の亀裂や崩れたのり面の補修などで実績を重ねてきたが、今回のような大規模な災害復旧に携わるのは初めてという。