「雨垂れ石を穿つ」の読み方、意味、由来とは?| 現代を生きるシニアの心の支えとして【座右の銘にしたい言葉】
決して、人生「順風満帆」とは行かぬものです。若い頃と違って、壮年期を過ぎてからの不幸な出来事や災難は、精神的にも大きなダメージとなります。そんな時でも、顔を上げ、前に進まなければならないのが人生ではないでしょうか? 写真はこちらから→「雨垂れ石を穿つ」の読み方、意味、由来とは?| 現代を生きるシニアの心の支えとして【座右の銘にしたい言葉】 何気ない友人や知人が掛けてくれた言葉が、深く傷を負った心を癒し、勇気づけてくれる場合もございます。また、先人が残した言葉を紐解けば、幾つもの教訓や悟りが残されおり光明となることもあります。そんな言葉の一つとなることを願い、第35回の座右の銘にしたい言葉は「雨垂(あまだ)れ石(いし)を穿(うが)つ」 です。
「雨垂れ石を穿つ」の意味
「雨垂れ石を穿つ」について、『⼩学館デジタル⼤辞泉』では、「小さな努力でも根気よく続けてやれば、最後には成功する。点滴石を穿つ」とあります。どんなに小さな力でも、地道に続けることで大きな成果を生む、という意味を持つ言葉です。シニア世代は、これまでの人生で多くの経験を積んできましたが、新たな挑戦や目標に向けて、日々の小さな努力を続けることが大切です。
「雨垂れ石を穿つ」の由来
この言葉は、中国の歴史書『漢書』「枚乗伝(ばいじょうでん)」の、「泰山之霤穿石」という記述に由来しています。現代語訳すると「泰山に降る雨の霤(りゅう)は石を穿つ」となります。泰山とは、中国山東省中部にある名山を指しており、その山から染み出た雨の雫(蕾)が、長い時間をかけて石を砕いたという意味です。 人の目には小さく、頼りない雨垂れですが、繰り返し同じ場所に落ち続けることで、やがて硬い石をも貫通してしまう。この現象から、「小さな努力を続けることが、やがて大きな成果を生む」という教訓が導かれました。
「雨垂れ石を穿つ」を座右の銘としてスピーチするなら
「雨垂れ石を穿つ」を座右の銘としてスピーチに用いる場合、大切なことはこの言葉に込められた「継続の力」と「諦めない心」という普遍的な価値を、自分の言葉で伝えることです。また、具体的な例を挙げることで、聴衆にその言葉の意味と価値をより深く理解してもらうことができます。以下に、「雨垂れ石を穿つ」を取り入れたスピーチの例をあげます。 ◆定年退職時のスピーチ例 本日は、私にとって会社生活最後の日です。そこで、私の座右の銘である「雨垂れ石を穿つ」という言葉についてお話ししたいと思います。40年間の会社生活を振り返ると、大きな成果も、小さな失敗も、すべては日々の地道な積み重ねでした。柔らかな雨の滴が、固い岩に穴を開けるように、毎日の小さな努力が、今の私を作り上げてくれました。 例えば、大きな目標を達成するためには、毎日の小さなタスクを着実にこなすことが重要です。私たちのチームは、毎日少しずつ進捗を確認し、改善を重ねることで、最終的に大きなプロジェクトを成功させました。これも「雨垂れ石を穿つ」の精神があったからこそです。 これからの人生も、この言葉を胸に刻み、新しいことに挑戦していきたいと思います。「継続は力なり」とよく言いますが、「雨垂れ石を穿つ」という言葉は、その真理をより詩的に、より深く教えてくれます。焦らず、慌てず、しかし諦めることなくこれからの人生も、この精神で歩んでいきたいと思います。