新元号は「令和」 安倍首相が談話発表(全文)新時代への願いを示すのにふさわしい
首相自らが談話を読み上げた理由は?
産経新聞:総理、平成の改元時とは異なりまして、今回、総理が自ら談話を読み上げると判断された理由をあらためてお聞かせください。また新たな元号を選定するに当たりまして、これまで複数の案を検討されてきたと思いますけれども、令和という元号に決めた、決定した、最大の決め手はなんだったのか。あらためてお聞かせください。 安倍:今回、元号を発表するに当たり、誰が発表するかという意見が、ずいぶん議論があったと思いますが、新しい元号は本日政令という形で閣議決定いたしましたが、通常、閣議の内容は官房長官が公表しております。そのため今回も、新元号については平成のときと同じように官房長官が発表することといたしました。 その上で平成の改元時には、当時の竹下総理の談話が発表されています。当時は総理大臣が会見を行うということは極めてまれでありましたが、平成の30年を経て、総理大臣が直接発信する機会も増大をしました。 私自身、何か、なんらかの出来事があると官邸に入る際などに記者の皆さんから声が掛かり、マイクを向けられることもあります。そうした時代になって、平成のときと同様に総理大臣談話を発表するのであれば、私自らが会見を開いて国民の皆さまに直接申し上げるべきだと、そう考えた次第であります。 また、元号の選考につきましては他の案が何かということも含めまして、検討過程について申し上げることは差し控えますが、わが国が誇る悠久の歴史、文化、伝統の上に次の世代、次の時代を担う世代のために未来に向かってどういう日本を築き上げていくのか。そしてその新しい時代への願いを示す上で最もふさわしい元号は何かという点が一番の決め手であります。 司会:これからは幹事社以外の皆さまからの質問をお受けいたしますので、質問ご希望の方は挙手をまずお願いしたいと思います。
元号選定に当たり、次世代のことをどう考えたのか
ニコニコ:ニコニコ【ナガオ 00:19:34】です。どうぞよろしくお願いします。若い世代やこれから産まれてくる子供たちは新しい元号、令和の時代の中心を担っていく世代だと思うんですけれども、この元号選定に当たりましては、こうした世代のことをどのようにお考えになっているんでしょうか。 安倍:本日の会見はインスタライブやTwitterで生中継をされていますが、今の若い世代の皆さんはこうしたSNSなどの新しいツールを見事に使いこなすことで、どんどん新しい文化をつくられています。ニコニコ動画も既存メディアの発想にとらわれることなく、若者たちならではの柔軟さで多様な番組を生み出し、リアルタイムで個人がコメントを発信できる、新しいメディアの姿を形づくられたと思っています。 そして、こうした若い世代の新しいムーブメントは確実に、これまでの政治や社会のありように大きな変化をもたらしつつあります。本当に頼もしい限りだと思っておりますが、日本の未来を明るいと感じています。新しい時代にはこのような若い世代の皆さんが、それぞれの夢や希望に向かって思う存分活躍することができる、そういう時代であってほしいと思っています。 この点が今回の元号を決める大きなポイントでもありました。今回の元号は『万葉集』にある梅の花の歌、32首序文からの引用です。この中では厳しい寒さのあと、春の訪れを告げるように見事に咲き誇る梅の花の情景が美しく描かれております。平成の時代のヒット曲に「世界に一つだけの花」という歌がありましたが、次の時代を担う若者たちがあすへの希望と共に、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そのような、若者たちにとって希望に満ちあふれた日本を国民の皆さまと共につくり上げていきたいと思っております。 司会:それではもう1問いただきます。はい、では前列。