新元号は「令和」 安倍首相が談話発表(全文)新時代への願いを示すのにふさわしい
日本の古典を由来としたことへの思いを教えてほしい
産経新聞:産経新聞の【オガワ 00:12:17】です。内閣記者会の幹事社として質問させていただきます。今日、先ほど決定した新元号を日本の古典を由来とする、『万葉集』から取った令和としたことについて、これまで元号は全て中国の古典を由来としてきたとされております。あらためて日本の古典を由来として令和に決めた、その総理の思いをお聞かせください。 また、今月末で幕を閉じる平成の30年間は、国内では人口減少が進み、また自然災害が相次ぎました。また目まぐるしく変化する国際情勢やデジタル化など、日本は今、大きな転換点を迎えています。5月1日の改元まで残り1カ月となったことを踏まえて、平成の次の時代をどのような気持ちで迎え、また次の時代のどのような国づくりをされていきたいか、お考えをお聞かせください。 安倍:わが国は歴史の大きな転換点を迎えていますが、いかに時代が移ろうとも、日本には決して色あせることのない価値があると思います。今回はそうした思いの中で、歴史上初めて国書を典拠とする元号を決定しました。特に『万葉集』は1200年あまり前の歌集ですが、一般庶民も含め、地位や身分に関係なく幅広い人々の歌が収められ、その内容も当時の人々の暮らしや息づかいが感じられ、まさにわが国の豊かな国民文化を象徴する国書です。これは世界に誇るべきものであり、わが国の悠久の歴史、薫り高き文化、そして四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄はしっかりと次の世代にも引き継いでいくべきであると考えています。 同時に、急速な少子高齢化が進み、世界がものすごいスピードで変化をしていく中で、変わるべきは変わっていかなければなりません。平成の30年間ほど、改革が叫ばれた時代はなかったと思います。政治改革、行政改革、規制改革。抵抗勢力という言葉もありましたが、平成の時代、さまざまな改革はしばしば大きな議論を巻き起こしました。 他方、現在の若い世代、現世代はそうした平成の時代を経て、変わること、改革することをもっと柔軟に、前向きに捉えていると思います。ちょうど本日から働き方改革が本格的にスタートします。70年ぶりの労働基準法の大改革です。かつては何年も掛けてやっと実現するレベルの改革が、近年は国民的な理解の下、着実に行われるようになってきたという印象を持っています。 そうした中で次の世代、時代を担う若者たちが、それぞれの夢や希望に向かって頑張っていける社会、一億総活躍社会をつくり上げることができれば日本の未来は明るい。そう確信しています。新しい元号の下、1人1人の日本人が明日への希望と共にそれぞれの花を大きく咲かせることができる。そういう時代を国民の皆さまと共に築き上げていきたいと思います。 司会:それでは幹事社からもう1問。