ダカール総合優勝が見えてきたサインツSr.。ローブの猛追を警戒「油断は禁物。まだガードは下げない」
アウディのカルロス・サインツSr.は、ダカールラリー2024のステージ9を終えてセバスチャン・ローブ(プロドライブ)に20分以上のリードを築いているが、まだ油断してはいけないと考えている。 【動画】ダカールラリー2024:ステージ9ハイライト というのも、ローブは過去4ステージ中3ステージで勝利し猛追。ステージ8でナビゲーションのトラブルがなければ4連勝を達成していたかもしれない。直接的なペースでは間違いなくサインツSr.よりも速いペースを見せているのだ。 エンジントラブルによりナッサー・アル-アティヤという味方を失ったローブに対して、戦略はどうなるかと聞かれ、サインツSr.は次のように答えた。 「戦略は変わらない。なぜなら、セバスチャン(ローブ)はとてもハードにプッシュしているし、僕たちも全力で走っている」 「まだ3つのステージが残っているし、油断してガードを下げてはいけない。同じように走り続けなくちゃいけないんだ」 「明日(ステージ10)は2番目に出走だ。できる限り速く走りたい。そして明日の夜は明後日のことを考えよう」 「(チームメイトのマティアス・エクストロームとステファン・ペテランセルは)遠く離れているけど、明日は酷いパンクに見舞われるような特別なステージにはならないはずだ」 「明日を乗り切らなくちゃいけないのは言うまでもないし、過去のことも考えている。(リタイアに終わった)昨年のダカールのステージのことをね。今年もタフになるはずだ。パンクも同じだ」 一方のローブは単なるペース差だけで20分のギャップを覆すのは難しいことを認めた。つまり彼がダカールで初の総合優勝を果たすためには、サインツSr.が不運に見舞われる必要がある。 「僕たちに必要なのは、プッシュすること。そしてうまくナビゲーションすることだ。僕たちにできるのはプッシュすることだけだ」 「他の人たちが何をやっているかを考えることはできないし、自分たちの仕事をしなくちゃいけない。ペース差だけでギャップを埋めるのは難しい」 「それに特にここ数日は長く、岩のあるハードなステージだからもう1台近くにいてくれたら素晴らしかっただろう。でも自分たちでやらなくちゃいけないんだ」 プロドライブのディレクターであるデビッド・リチャーズも、もはや結果はローブがコントロールできるものではなく、サインツSr.が負けるかどうかのラリーになっていると語った。 「非常に厳しい戦いになっている」 「カルロスはとても経験豊富だ。何年もこのラリーをやっている。カルロスは自動的に勝てるような状況だから、失うモノの方が多いんだ」 「誰もがカルロスに『今は(マシンを)最後まで走らせるんだ。優勝するんだ』と言っている」 サインツSr.は2024年のダカールでは61歳と最も高齢のドライバーのひとりだが、その年齢を感じさせない走りを見せている。 リチャーズはサインツSr.の今年のパフォーマンスに感銘を受け、次のように語った。 「驚いたよ。61歳になった人たちの多くは引退しているだろう。私は彼より10歳年上だが、私もそうしていたはずだ。だがダカールで勝つまでは引退したくないだろうね」
Mario Galán