尼崎JR脱線事故から19年 追悼の灯で「わすれない」
乗客ら107人が死亡し562人が負傷した尼崎JR脱線事故から25日で19年となった。JR西日本は同日午前、兵庫県尼崎市の現場に整備した慰霊施設「祈りの杜」で追悼慰霊式を営む。JR西では事故後に入社した社員が多くなり、記憶や教訓をどう継承するかが課題となっている。 祈りの杜では24日夕から、遺族らでつくる団体が犠牲者の鎮魂と鉄道の安全運行を祈る行事「追悼のあかり」を実施。約750本のろうそくを使い「2005.4・25 わすれない」の文字を並べ、傍らには追悼の花のマークをかたどった。 経営効率化で安全が軽視されないよう訴える目的もあり、ろうそく入りの紙コップには、JR社員が書いたとみられる「絶対に事故を起こさない」とのメッセージも。今年で10回目を迎えた行事を企画してきた遺族の上田誠さん(57)は「ここで本当に悲惨な事故があったことを、できるだけ長く伝え続けていきたい。亡くなった命が無駄になったら駄目だ」と語った。
JR西は大阪府吹田市の同社研修センター敷地に事故車両を保存する新施設を建設中だ。