花澤香菜（写真＝井上ユリ）

　1月8日より放送開始のTVアニメ『RINGING FATE』。生と死の狭間にある世界・崆（くう）で、“心に強い執着を持つ人々”が生き返る権利をめぐって「運命のリング」で争い合う。 【写真】花澤香菜、新キャラの演技は「アフレコしていてとても疲れちゃうぐらい（笑）」？（6枚） 　主人公の少女・要を演じるのは花澤香菜。要は“最凶のヘルメット”サブロー（梅原裕一郎）とともに「運命のリング」に挑む。無邪気な彼女の性格は花澤にふさわしい役柄と言える一方、ここまで“全部をさらけ出して生きている”キャラの演技は新鮮でもあったという。さらに、動画サイト「bilibili」のもと制作された中国産アニメでもあるという特殊な経緯を持つ本作の役作りに、花澤はどのように挑んだのか。心境に迫った。

『RINGING FATE』は花澤香菜の新たな一面が引き出された作品

――『RINGING FATE』の映像を観たときの印象を教えてください。 花澤香菜（以下、花澤）：すごく緩急のあるモーションというか、たくさんあるギャグシーンの動きもとてもコミカルで、目の表情の変化などが独特でかわいいなと思いました。 ――コメディシーンでは要ちゃんのオーバーリアクションがたくさんあって、かわいらしくもあり、日本のアニメでは少し珍しい挙動なので新鮮でした。こういう映像の違いは演技に影響したりしますか？ 花澤：吹き替え作品では基本的に元の音声があるのでそのお芝居に合わせてはいます。でも今回監督からは最初のアフレコのときに「もっと自由にやってください」とディレクションを頂いたので、それ以降はアドリブなどもそこまで原音に寄せずに自分の思った通りにやっているところもあって、そういう意味では普通の吹き替えとはまた違うような感じでした。なにより要ちゃんがめちゃくちゃかわいいんですよね……！　少女の純粋なかわいさと、あとはちょっとずる賢さもある。「記憶を取り戻して生き返るんだ」という強い意志があるキャラクターで、私もアフレコしていてとても疲れちゃうぐらい（笑）、パワーのある女の子ですね。 ――声質的にはまさに“花澤香菜さんらしい”キャラのイメージではありつつ、ここまで常に感情が爆発しているキャラもあまりなかったのではないかと思います。 花澤：そうなんです。パワー系ですよね（笑）。たしかにここまで全部をさらけ出して生きている女の子は、アニメ作品でも私が担当した中では少ないなと思うので、新たな面を引き出していただいているなと感じました。 ――梅原裕一郎さんとの共演はいかがでしたか？ 花澤：梅原くん演じるサブローは、最初はつっけんどんな感じなんですけど、回を追うごとにどんどん感情が表に出てきて、要に対して怒ったり振り回されて叫んだりとかする場面が増えてきます。私は今まであんなにわめいている梅原くんの役を聞いたことがなかったので新鮮でした。「こんなに怒ってくれるの？」と思うこともあります。要とサブローはどんどんコンビネーションがよくなって、会話もすごく心地よくなっていっているなと感じています。 ――映像を観ていて気になったのですが、要ちゃんはサブローを膝に抱えることが多いですよね。現実的に考えると独特な距離感なわけですが、アフレコをするうえで声の出し方に影響があったりしますか？ 花澤：たしかにそうですね（笑）。サブローの声はスピーカーから出てくるように聞こえているのかなと勝手に想像しているので、距離感的な意味では特に意識したことはなかったんですけど、シーンによって演じ分ける場面はありました。サブローをボールのように扱っている場面、たとえばサブローを落としちゃったり、被ったり、いろいろなシチュエーションがあるのでそれに合わせてお芝居しているつもりではあります。