【F1】ウィリアムズ名門復活へ大規模補強!有力エンジニア5人加入、サインツ迎え入れるべく技術基盤を固める
トップチーム返り咲きへ着実かつ急速にチーム力向上
F1 第11戦 オーストリアGP フリー走行 28日 レッドブルリンク(4.318キロ) ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス 名門復活を目指すウィリアムズが大規模な補強に動き出した。他チームで技術部門トップを務めた有力エンジニア5人の加入を正式発表。今季限りでフェラーリを離れるカルロス・サインツ(29)=スペイン=を迎え入れるべく、チームの技術基盤を固めた。一方、アルピーヌがピエール・ガスリー(28)=フランス=と、アストンマーティンはランス・ストロール(25)=カナダ=と複数年の契約延長を発表。シーズン半ばを迎え、ストーブリーグが熱を帯びてきた。 ウィリアムズの技術部門強化は目覚ましい。今年中に他チームから加わるエンジニアらは実に26人を予定。その中で空力部門が11人で、デザイン部門は13人にも上る。 キーマンとなりそうなエンジニアは5人だ。夏期休暇を終えた段階で、デザインディレクターとして加入するマット・ハーマン氏は、今年初めまでアルピーヌのテクニカルディレクター(TD)を務めていた実力者。メルセデス時代にはパワーユニット(PU)の開発を担当し、タイトルを獲得した5台の車両に関わったという。
7月1日付でコンピューターサイエンスのチーフエンジニアとして加わるファブリス・モンカデ氏は、フェラーリでパフォーマンス分析部門の責任者を担当。F1で最新のシミュレーション技術を確立した人物で、メルセデスやマクラーレンでも辣腕(らつわん)を振るっていた。 チーフ空力担当になるファン・モリーナ氏は、レッドブルで3度のダブルタイトル獲得に貢献。スティーブ・ウィンスタンリー氏もレッドブルからの移籍で、チーフエンジニアとしてデザイン部門で製作物を担当する。また、アルピーヌでパフォーマンス担当責任者を務めていたリチャード・フリス氏は来季から同職で加わる。 チームを率いるジェームス・ボウルズ代表は「素晴らしい人材を迎えることができた。他チームでタイトルを獲得した経験豊かなメンバーを迎え入れられ、自分たちが進む道に自信が持てる」と胸を張る。チームオーナーの投資会社「ドリルトンキャピタル」に厳命されたトップチーム返り咲きへ、着実かつ急速にチーム力が向上。最後のピースは、サインツ獲得で埋まるはずだ。
中日スポーツ