<わたしたちと音楽 Vol. 49>miwa 変化し続けてきた15年間、これからも挑戦を続けられる理由
常にアップデートすることで輝きを届けたい
――挑戦し続けられるのはどうしてなんでしょうか。 miwa:「常に行列ができるラーメン店は、常に味をアップデートしておいしくなり続けている」と思ったんです。「やっぱりこの味おいしい」と思うということは、実は前回よりもおいしくなっているんじゃないかって。ヘアメイクさんと話していてそれに気がついて、自分もそんなアーティストでありたい、と思うようになりました。常に良くなり続けて、常に輝きを増し続けられるような。少しずつそうやって成長を遂げられるアーティストでいたいです。 ――ラーメン店から発想を得ていたとは意外でした! 少しビルボードジャパンのチャートのお話をさせていただきたいのですが、2023年の“JAPAN Hot 100”年間チャートで男性アーティストの楽曲が64曲、女性アーティストの楽曲が19曲、 混合グループが16曲、性別非公開のアーティストの曲が1曲という結果でした。この比率はこの年に限らず、例年続いているのですが、miwaさんをはじめ素晴らしい女性アーティストがたくさんいるのになぜだろう、という疑問から、この「わたしたちと音楽」というシリーズがスタートしています。この、チャート上のジェンダーギャップについてはご存知でしたか。 miwa:特に意識したことはなかったですね。ジェンダーギャップというと、ロック・フェスティバルでは女性アーティストの枠が限られているのを感じていました。すごく狭き門ですよね。実力があればそれを突破できるはず、と逆境をバネにしてきました。 ――女性であることは、人生にどんな影響を与えていると思いますか。 miwa:すごく変化が多いなと思っています。デビューした19歳の頃と今の自分とでは価値観も大きく異なって、大事にしたいものや時間の使い方も全然違います。住む国も変わってしまうくらい、19歳のときの想像を大きく上回って変化しています。だからこそ、固執したり執着しないことが大事なんじゃないかな。自分のやりたいようにうまく運ばない瞬間もあると思うんですが、それも受け入れてみると、強さが生まれるんだと思います。