みそ汁の定番だけど…「ネギ&ワカメは組み合わせNG」って本当? 真偽を管理栄養士に聞いてみた
食べ物の中には一緒に食べると体に良い影響を与えるものもあれば、かえって栄養の吸収が阻害されたり、消化不良になってしまったりするものもあります。例えば、みそ汁を作るときにネギとワカメを一緒に入れる人は多いと思いますが、ネット上では「調理の際にネギとワカメを組み合わせてはいけない」という内容の情報があります。こうした情報は本当なのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに真偽を聞いてみました。 【要注意】「えっ…うそでしょ…?」 これが「実は食べ合わせがよくない」食材の組み合わせです!(6つ)
ネギの硫化アリルがカルシウムの吸収を阻害
Q.ネット上では、「ネギとワカメを一緒に調理すると良くない」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。 桜井さん「ネギには硫化アリルという成分が含まれています。ネギやタマネギを切ったときに目がしみることがあると思いますが、あれは硫化アリルが原因なんです。この硫化アリルはカルシウムの吸収を阻害してしまうといわれていて、ワカメにはカルシウムが多く含まれていることから、一緒に食べない方が良いと言われているのではないでしょうか。 ただし、硫化アリルは熱に弱いという特性があるため、みそ汁を作るときに先にネギを入れるようにすれば、あまり気にしなくても良いのかなと思います」 Q.では、他に組み合わせると良くない食べ物の例はありますか。 桜井さん「同じカルシウムの吸収を妨げてしまうという食材でいうと、玄米があります。玄米と何か特定の食べ物の組み合わせが良くないというわけではありませんが、玄米に含まれるフィチン酸という成分が、カルシウムなどのミネラルの吸収を阻害するということが分かっています。玄米を食べ過ぎるとミネラル不足に陥るといわれることもあります。 ただ、玄米に多く含まれるのはフィチン酸ではなく、フィチン酸と金属イオンが結合したフィチンです。基本的に、ミネラルの吸収に影響を与えることはないようです。少量のフィチン酸を取っても、摂取したミネラルを全て吸収できなくなるわけではありません。 組み合わせとして良くないものは、『ホウレンソウとベーコン』『ホウレンソウとゆで卵』『枝豆と乳製品』などが挙げられます。これらも一緒に食べることで、カルシウムの吸収を悪くしてしまうものですね」 Q.家庭でみそ汁を作るときに、お勧めの具材の組み合わせはありますか。 桜井さん「栄養のバランスを良くするためには、やはりたくさんの食材を使うことが重要です。お勧めとしては、豚汁のような具だくさんのものが良いですね。野菜によるビタミンやミネラル、食物繊維などはもちろん、豚肉や油揚げなどでタンパク質も取れるのが優秀なポイントです。また、魚のダシを使ったり、小魚を具材にしたりすると、DHAやEPAなども取れるのでお勧めです」 * * * 食べ物には、組み合わせが良くないものもあることが分かりました。ただし、今回の例のように調理方法によっては問題がないこともあるようです。バランス良く栄養を取るためには、具材の組み合わせも考えるとレパートリーが広がりそうですね。
オトナンサー編集部