【惜別・叶井俊太郎】人間が人間を喰う、阿鼻叫喚の地獄絵図。映画史上最大の問題作『食人族』はなぜ40年ぶりに公開されたのか?
本物のウミガメや猿の脳みそを食べる
――映画の後半、有識者による会議のシーンで「学者ではなく、一般人の感覚で言います。この“記録映像”は不快でウソっぱちでこの上なく非人道的です」といって映像確認するシーンは凄まじい映像の連続でした。 オレが学生の時に初めてこの映画を見たときは、ウミガメを食べるシーンと猿の脳みそを食べるシーンが衝撃的でした。あれ本物だからね。あとは映画ポスターにも使ったけど、串刺しにされた人のシーンは映画館(シネマート新宿)で実際に木を使って等身大パネルにしたオブジェを作ったので、ぜひ一緒に写真を撮ってほしいね。 ――こんなにヤバい映画を買い付けてきて呪われないですかね。 3月に公開された映画『三茶のポルターガイスト』ではロケ中に病気も発覚するし、オレはこれまで3回離婚して自己破産もしてるし、すでに呪われてるでしょ(笑)。散々アクの強い映画を買い付けてきてるから今更ジタバタしても仕方ないですよね。そんなワケで定番の映画記事の記事末にある映画の告知ちゃんとしといてね。 ――嫌ですね。『BLUE GIANT』の告知をしておきます。 取材・文/荒川イギータ 画像/©F.D.Cinematografica S.r.l.1980 本記事は2月16日に逝去した叶井俊太郎氏(享年56)の仕事を偲んで再編集・再掲載する。 (初公開日:2023年5月6日。記事は公開日の状況。ご注意ください)