【惜別・叶井俊太郎】人間が人間を喰う、阿鼻叫喚の地獄絵図。映画史上最大の問題作『食人族』はなぜ40年ぶりに公開されたのか?
『ムカデ人間』よりヤバい映画!
――先月の時点で映画『BLUE GIANT』が興行収入10億円突破と話題になっていましたが、それを上回る数字ですか…。この映画を令和の若者たちはどう捉えると思いますか? 「そんなバカな!」と思うだろうけど、串刺しのポスターに衝撃を受けてほしいし、映画を見て「40年前はアマゾンに本物の食人族がいたのか…」と震えてほしい。だから、ポスターもちゃんと記事で宣伝しておいてね。 ――嫌ですね。たしかに珍しいポスターですが、不快に思われる方もいると思うので、記事内で配信はしたくないです。 なんで? こういうインタビュー記事って大体、映画の宣伝のためにやるもんでしょーが。頼むよ。 ――そんなことばっかりしてるから,つまらない記事が増えるんじゃないんですか。なぜ買い付けて、今この映画が上映されるのかについてはお聞きしますが、別に必要以上にこの映画の宣伝がしたいわけでも、提灯記事がつくりたいわけでもないんで。 えらいハッキリいいますね。まー、それならそれでいいですよ。 ――インタビューを続けますね。この映画のファンの特徴は? 1983年当時にリアルタイムで見ていた50代以上のおじさん、ホラー好きな10代から20代でしょうね。あと、意外かもしれないけど、女性が多いね。以前買い付けてきた同じくカニバリズムがテーマの映画『カニバ』も『セルビアン・フィルム』も観客の8割が女性だったからね。ビジュアル系というかトー横キッズというか、わりと派手な見た目の20歳前後の若い子が多かったです。 ――叶井さんはこれまでも『ムカデ人間』『キラーコンドーム』など多くの問題作を買い付けてきましたが、その中でもこれは何番目くらいにヤバい映画でしょうか? 今まで買い付けてきた映画の中でこれが一番ヤバい! これまでもいろんな映画を手がけてきたけど、ほとんどがフィクションでした。でも、これはドキュメンタリー調だったから、見る人によってはぶったまげると思いますよ。