ガザ停戦交渉、再び停滞 トランプ氏の就任前の合意は困難か
パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉が再び停滞している。米ニュースサイト「アクシオス」によると、恒久的な停戦やイスラエル軍のガザからの撤退を巡り、イスラエルとイスラム組織ハマスとの間で主張の溝が埋まっていないという。トランプ次期米大統領が就任する来年1月20日までの停戦合意は困難との見方も出ている。 【写真で振り返る1週間】 Weekly Select 12月23~29日 停戦交渉を巡って一部の米メディアは、ハマス側がイスラエル軍の一時的なガザ駐留を認め、恒久的な停戦の要求は取り下げるとの譲歩を示していると報じた。だが、アクシオスによると、実際は折り合いがつかず、交渉は行き詰まっているという。 ハマスは、イスラエル側が新たな条件を突きつけてきたと主張するが、その詳細は明らかにしていない。イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスはウソをつき、既に達成した合意を破っている」と非難。人質の生存者リストを要求しているが、ハマス側が提出しないと述べている。 トランプ氏は12月2日、ソーシャルメディアへの投稿で、自身の就任までにハマスが人質を解放しなければ「米国史上、最も激しい打撃」を与えるとし、圧力をかけている。だが、アクシオスによると、ハマス側は気にかけていない模様だという。トランプ氏の就任までに合意できない場合、政権移行作業により交渉は数カ月遅れる可能性があるという。 イスラエル軍は29日も、ガザ地区への攻撃を継続。ロイター通信によると、北部ガザ市のワファ病院への空爆で7人が死亡した。ガザの保健当局は29日、昨年10月の戦闘開始以降のガザ側の死者が4万5514人になったと発表した。【エルサレム松岡大地】