日本でも人気爆発、テイト・マクレーの次世代ポップが絶大な支持を集める5つの理由
3. 「ブリトニーの後継者」ダンスポップの超新星
10代で音楽業界に入ったテイトは、キャリアに悩むなか、多くの音楽ファンと同じように、好みも時とともに変わっていったという。そこで行きついた哲学が、2ndアルバム『THINK LATER』のタイトルにもなった「今を生きて、あとで考える」。本能に身を任せてまずやってみよう、と決断したのだ。 ここで選ばれたコンセプトが、幼いころ憧れていた2000年代ポップ。具体的には「exes」ミュージックビデオでもオマージュを捧げられているセクシーな自信家クリスティーナ・アギレラ、そしてカリスマダンサー、ブリトニー・スピアーズだ。 このコンセプトを象徴する楽曲こそ「greedy」だった。発表するのがもっとも怖かった作品だったからこそ「あとで考える」精神によってリードシングルに抜擢されたこのダンスチューンは、彼女のダンサーとしての実力とセクシーな自信がたっぷり込められた新時代宣言であった。 Spotify10億回再生を達成した「greedy」は、テイト・マクレーを次世代ポップスター以上の存在へと引き上げた。今や彼女は、ポップの伝説、ブリトニー・スピアーズの後継者候補だ。 「テイト・マクレーは素晴らしいパフォーマーです。次から次へと高みへと上昇しつづける」(ブリトニー・スピアーズ、V Magazineに掲載されたテイトとの対談記事より) この10年、北米ポップシーンに不足していたのが、ブリトニーのようにソロで激しく踊るポップスターだった。そこで舞い降りた存在こそ、最高峰の実力を持つダンサー、テイトというわけだ。TikTokで真似しやすいゆるい振りつけのヒット曲が主流になっているなか、アクロバティックダンスのエネルギーを炸裂させた「greedy」とは、彼女にしかなしえなかったゲームチェンジと言えるだろう。
4. 次世代トップ・アーティストとの交友関係
飛ぶ鳥を落とす勢いのテイト・マクレーは、大スターとのコラボも期待できるかもしれない。テイトの故郷愛は「Calgary」でもつづられているが、同じカナダ出身の先輩こそ、キッズダンサー時代に共演したジャスティン・ビーバーだ。現在も交友がつづいており「greedy」が披露されたNHLオールスターゲームにてステージ上での再会も果たした。 そんなジャスティンとのコラボ「STAY」を日本でも大ヒットさせたラッパー、ザ・キッド・ラロイは、現在テイトと交際中。さまざまな分野でカリスマ性を発揮する変幻自在なスター同士のお似合いカップルで、ジャスティン夫婦とのダブルデートも目撃されている。 テイトとラロイが所属する一種のアートコミュニティが、世代交代が進むポップシーンにおいて未来を背負う若手たちのグループだ。 「greedy」の成功前、テイトが味わっていた音楽業界での苦しみは「want that too」で歌われている。このキャリアの過渡期をサポートした親友こそ、同じマンションに住むグラミー新人賞受賞者、オリヴィア・ロドリゴだ。共感できる歌詞とロックを融合させたオリヴィアのヒット「bad idea right?」のミュージックビデオには、テイトも友情出演している。 二人の親友であるコナン・グレイも、強烈な心情を耽美に歌うシンガーソングライター。彼の代表曲「Heather」は、テイトによるカバーがSpotify限定で発表されている。 2024年秋冬は、日本に次世代ポップ勢力が来襲するシーズンだ。テイト、ラロイ、オリヴィア、コナンの来日公演が決定している上、テイトと同じダンス系ポップスター、デュア・リパの2日連続公演も11月に待ち受けている。