【毎日書評】やりたいことができないなら…まず「考えすぎを手放す」ことから行動が変わる!
『考えすぎない練習』(ジョセフ・グエン 著、矢島麻里子 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、考えること(思考)はすべての苦しみの根本原因であると述べています。 なぜネガティブな感情を抱くのかというと、自分自身の思考が原因であるという以外にありません。 すべてが自分の思考に端を発しているため、問題の解決方法はきわめてシンプルです。自分の思考が感情を引き起こすことを理解すれば、思考を手放して、安らぎや愛、喜びという自然な状態に戻ることができます。思考を手放したとき、自分が感じたいあらゆるポジティブな感情が内面から生まれる余裕がつくられます。(152ページより) そもそも私たちは現実のなかではなく、自分の思考によってつくられた「認識」のなかで生きているもの。たしかにそのとおりかもしれません。 そして思考は、私たちの経験の結果ではなく、その「原因」。その考えに従えば、私たちの頭のなかにある考えは事実ではないということになります。 だから、著者はこうも主張するのです。 私たちの思考は自分がそれを信じている場合にだけ私たちをコントロールできます。思考を信じるのをやめて、苦しみを手放しましょう。(153ページより) ただ、そうしたとしても、私たちは「自分のすべきこと」を見つけ出す必要があるはず。ただしそれは、なかなか難しいことでもあります。しかも、そのことを突き詰めようとするとき、私たちはしばしば考えすぎてしまいがちでもあるでしょう。 そこで、きょうは本書のChapter 13「『自分のすべきこと』を考えずに見つける方法」を確認してみたいと思います。
直感を大切に「私たちは、なにをすべきかわかっている」
「自分はなにをするべきか」ということは、誰にとっても大きな悩みの種。 だからつい考えすぎてしまうわけですが、注目すべきは、著者がこのことについて次のように述べている点です。 ほとんどの場合、私たちは心の奥では、どんな状況でも、何をすべきかわかっています。これはよく勘や直感、内なる知恵と呼ばれます。 私たちは自分の直感が正しいかどうか外の世界に確認を求めようとしますが、それによってネガティブな感情が湧き始め、みんなの意見に振り回されて頭が混乱することになります。(117ページより) でも実際のところ、誰になにをいわれようとも、自分がなにをしたいのかがわかるのは自分だけ。しかしその自覚がないからこそ、ついメンターやコーチの話を聞き、そこから答えを探そうとしたりするわけです。けれども本当に大切なのは、「直感」なのだと著者。 直感はどんなときも必ず、行くべき場所やとるべき行動へとあなたを導きます。 それは、目的地までの道の途中に障害物があったときに、どのタイミングで迂回すべきか、どの道を通るべきかを教えてくれる体内GPSのようなものです。(118ページより) もちろん、どのように、どの道を取ってたどり着くかを指示してくれるとは限りません。しかしそれでも、体内GPSが目的地まで導いてくれることだけは信じていいと著者はいうのです。つまりはそれが、直感の力なのでしょう。(117ページより)