【第1回:BMW3シリーズ(E46)】 第5水曜日の男! 遠藤イヅルの『令和的』ヤングタイマー列伝!
320iが直6……それだけで欲しくなります
そしてやはりBMWといえばエンジン。社名自体がドイツ語で『バイエルン州のエンジン工場』を意味する、『Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)』というBMWですものね。 E46では、1.6リッター直4の『316i』から、3.2リッター直6の『M3』、さらには『M3GTR』の4リッターV8(!)まで幅広いラインナップを誇りましたが、BMWの象徴は直6エンジン。『320i』、『323i』、『325i』、『328i』、『330i』が存在しました。ただし、この頃からすでに末尾2桁の数字が必ずしも排気量を示すものではなくなっており、末期の320iは2.2リッターだったりします。マニア泣かせです。 後継のE90になると直6は『323i』、『325i』など2リッター以上の搭載となり、さらに現在のBMWでは、直6エンジンを積むのはごく一部の上位グレードのみに。320iが直6だったことがとても贅沢に感じられるのです。そう考えると、E46の320iが欲しくなってしまいます。ちなみに直4モデルも、エンジン、ハンドリングともに抜群に気持ちよいことは追記しておかねばなりません。 ボディバリエーションは、E36と同様に4ドアセダン、2ドアクーペ、カブリオレ、ツーリング(ステーションワゴン)、そしてコンパクトを称された3ドアハッチバックが用意されました。ゴルフに対抗するCセグメントに属するコンパクトハッチバックなのにFR、という貴重なキャラクターは、その後、2代目までの『1シリーズ』が受け継いでいます。 そうそう。これまた余談なのですが、E36コンパクトの中身はなんと、2代目E30を流用していました。ガワだけ新しかったのです。一方のE46コンパクトはシャシーもE46から作られたため、名実ともにE46のコンパクトとなったのでした。
過去と現代がちょうど良く結実するクルマ
伝統とモダンが高次元で折り合ったデザイン、豊富な直6エンジンのバリエーションなど、E46の3シリーズは昔のBMWらしさと現代的な要素がちょうどよく結実するクルマと言えます。また、現代の3シリーズはかつての5シリーズなみに大きなクルマになってしまいましたが、E46ではセダンの全長は4.4m台で、全幅も1.7mを少し超える程度。つまりほぼ5ナンバーサイズなのです。この小ささも街中での乗りやすさにつながっています。 いかがでしたでしょうか。E46、たしかに「今見直すといいよね」というクルマかと思うのです。中古車もリーズナブルで、台数がまだまだ多くあるのも魅力です。 次回も『第5水曜日の男』として、また「そうきたか」というクルマをお送りしたいと思います。ご期待ください。
遠藤イヅル(執筆/撮影) 平井大介(編集)