中日・金丸夢斗よWBC侍を目指せ 井端監督、プロ1年目に日本代表級の活躍期待「全てが勝負球になるという投手」「期待しています」
金丸よ、”ルーキー侍”を目指せ―。野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督(49)が、来春の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けた注目の一人として、中日のドラフト1位・金丸夢斗投手(21)=関大=の名前を挙げた。近年は広島・栗林良吏投手(28)、日本ハム・伊藤大海投手(27)、巨人・大勢投手(25)がプロ入りしてすぐに代表入りして、国際大会で活躍。指揮官は金丸にもWBCでの日本代表入りを目標にしてプロ1年目のシーズンに臨んでほしいと期待した。 注目のドラフト1位左腕・金丸には、井端監督も大いに期待している。WBC前年となる今年は大会連覇への準備を着々と進める1年。最強ジャパンの結成を目指し、国内外の選手をじっくりチェックし、チームをつくり上げていく。中日からは昨秋の国際大会「プレミア12」でエース格だった高橋宏がさらに成長し、WBCでローテに入ってくることを期待しているが、金丸も指揮官注目の一人だ。 「金丸選手は学生時代に呼んでいますし、1シーズンあれば、大勢選手がそうだったように、十分そこ(侍ジャパン)に入ってきている選手はいる。その前の栗林選手や伊藤大海選手もそうだった。そこは頭に入れてほしいですね。そのために早々と呼んだわけですから、期待はしています」 2021年東京五輪はルーキーだった栗林と伊藤が代表入りして活躍。金メダル獲得にひと役買った。23年の第5回WBCでもプロ1年目での新人王獲得の翌年だった大勢が代表として世界一に貢献。このように、近年はプロ入り後すぐに代表入りする選手が出ているが、金丸にも”布石”をしっかり打っている。 昨年3月の欧州代表との強化試合で、金丸は宗山塁内野手(明大→楽天ドラフト1位)、西川史礁外野手(青学大→ロッテ同1位)、中村優斗投手(愛工大→ヤクルト同1位)とともに、12年の侍ジャパン常設後初めてとなるドラフト会議前の大学生選手として招集した。当時は誰がWBCで指揮を執るかは不明だったが、どんな形になるにせよ、日本の未来につながっていくことを願って呼んでいたのだ。 その強化試合で金丸は第2戦に先発。2イニングを無失点に抑えて、4個の三振を奪うという圧巻の投球を見せた。「ボールの切れもコントロールもいいし、奥行きも使えて、どの球種でもストライクを取れるというところは彼の強み。全てが勝負球になるという投手」。井端監督も左腕が持つ高いポテンシャルを認識している。いい形でプロとして滑り出し、成長曲線を描いて、WBC連覇の新戦力になる。そんな期待をかけながら、竜の「背番号21」を見ていく。 ◆栗林&伊藤の東京五輪と大勢のWBC 栗林はプロ1年目だった21年、開幕から抑えを任されてデビューから22試合連続無失点を記録するなど6月16日の代表発表時点で0勝1敗12セーブの成績を残して東京五輪代表に選出され、五輪本番は抑えとして全5試合に登板し2勝3セーブ。胴上げ投手になった。 伊藤は1年目の21年、開幕ローテ入りし、セ・パ交流戦でともに1位タイの3勝、防御率0・90をマークし、日本生命賞を受賞。巨人・菅野らがコンディション不良で辞退した代替選手として7月5日に日本代表に選出。リリーフで3試合に登板し1勝、防御率0・00。金メダルに貢献した。 大勢は1年目の22年に守護神として、新人最多タイの37セーブをマークして、新人王を獲得。翌23年の第5回WBCで日本代表に選ばれると、本番ではリリーフで4試合に登板して1勝、防御率0・00の成績を残し、世界一奪回に貢献した。 ◆金丸の欧州代表戦 昨年3月7日に京セラドーム大阪で行われた第2戦に先発。2イニングを無安打無失点に抑えて打者6人から4三振を奪った。150キロ超えを連発し、最速151キロをマーク。井端監督は「金丸投手がいい流れをつくってくれた。こういう投球ができるのは間違いないと思っていた」と絶賛した。 【中日の清水、松山にも注目】 井端監督は来春の第6回WBCに向けて、中日の清水、松山にも注目している。「清水選手は2大会に呼んで、変化を見せてもらいましたし、松山選手は(昨季)ちょっと苦労した部分もありましたが、初めて1シーズン丸々やり、いい経験だったのかなと思います。候補であるのは間違いない」。 清水は2023年のアジアプロ野球チャンピオンシップと昨年のプレミア12に招集。プレミア12では4試合に登板、厳しい場面を何度も切り抜けた。一方、昨年3月の欧州代表戦に招集した松山は自己最速タイの156キロをマークするなどして好投。ともに今季はさらなるステップアップをすることを期待している。
中日スポーツ