虎のソナタ 伝統の一戦はいつの時代もどんなときも 試合でも、ゴルフでも、時には選手の争奪戦でも
その若手が心配していたが、真っ赤な新庄はおとがめなし。カープ色は許されるが、ジャイアンツ色は許されない。巨人にだけは…。それが、伝統というものらしい。
11月21日はプロ野球史に残る、かの有名な「空白の1日」だ。
1978年ドラフト会議(11月22日)前日のこと。巨人は前年にクラウンの指名を拒否して浪人中の江川卓と契約成立を発表する。ドラフト指名選手の交渉権は「ドラフトの日から翌年のドラフト前々日まで」という当時の奇妙なルールの盲点(空白の1日)を突いた巨人の暴走だった。
当然、認められず、怒った巨人は翌日のドラフトをボイコット。4球団競合の末に江川の指名権を得たのは、なんと阪神だった。その後の紆余(うよ)曲折のドラマは、ここでは触れない。
ただ、いつの時代も、どんな時も、阪神と巨人は永遠に戦い続けてきた。試合でも、ゴルフでも、時には選手の争奪戦でも。繰り返す。巨人にだけは負けたくない-。阪神ファンはいつも、ずっと思い続けている。