そんな生き方もあるんだ…柔道メダリスト高市未来さん、フランス選手とのお風呂トークで人生の”視野”が広がる
柔道の女子63キロ級で五輪3大会に連続出場し、10月末に現役引退を発表した高市未来さん(旧姓田代、30)=コマツ=が指導者の道へ進む。新たな道を歩むことになったのにあわせて、パリ五輪前の取材会で明かしたフランス選手とのエピソードを紹介したい。 昨年のグランドスラム(GS)東京大会の前、48キロ級でGSで金メダルを獲得した経験のあるブランディーヌ・ポン(フランス)が練習のためコマツの道場に来た。練習後のある日、お風呂に入りながら、柔道や柔道以外の生活について語り合い、フランス代表として国際大会で活躍しながら歯科医師になるための勉強もしているというポンの話を聞き、新鮮な気持ちで受け止めた。 「柔道全てが人生ではなくて、柔道を人生の中の一部としてとらえている。人として生きていく中で大切なことをもっと求めているのかなと感じた。それがフランス柔道の強さのひとつかもしれない」。その上で、自身は3大会連続の五輪代表となり、「今は五輪に向けてやっているが、彼女の話を聞いて、柔道を通じてもっといろんなことに挑戦したいと思った」と思いを明かした。 パリ五輪では個人でのメダルは逃したが、団体でのメダル獲得に貢献。引退発表に際して、所属先を通じて「本当に幸せな現役生活だった。ここまで経験してきたことを生かしつつ、柔道界、世の中に少しでも貢献できるよう、より一層努力していきたい」とコメントした。ひた向きに競技に取り組み、結婚を経て人生についても考え悩む姿に記者は同年代の同性としても勝手に勇気や元気をもらっていた。新たな人生の門出を祝いたい。(一般スポーツ担当・広瀬美咲)
中日スポーツ