夫が定年退職後の手続きを"すべて"会社に任せています。さすがに自分でやるべき手続きなどありそうですが、このままで大丈夫なのでしょうか?
定年退職前後は、自分でしなければならない手続きがあります。しかし中には「今まで通り会社がやってくれる」と考え、すべて会社任せにしている人もいるようです。そのときになって慌てたり困ったりすることがないよう、事前に行うべき手続きについて知っておくことは大切です。 そこで今回は、定年退職前後に行う公的および社内での手続きをご紹介します。スムーズに手続きできるよう準備しておくと安心です。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
定年退職前後の公的な手続き
定年退職に関する公的な手続きには、年金・雇用保険・健康保険・税金があります。それぞれの手続きの概要は以下の通りです。 ■公的年金 年金を受け取る資格ができたら、受給のための手続きは自分で行う必要があります。「ねんきん定期便」で加入記録を確認しておきましょう。 年金支給開始年齢到達月の3ヶ月前に「年金請求書」が届きますので、必要事項を記載して返送します。添付書類については年金事務所や年金相談センターで確認し、年金手帳を会社が保管している場合は返却してもらいます。 ■雇用保険 定年退職後に再就職先がすぐに決まらず、一定の要件を満たした場合は、雇用保険の手続きを行うと失業手当(基本手当)を受け取りながら求職活動が可能です。 退職時に会社から「離職票」「雇用保険被保険者証」を受け取り、手続きは居住地を管轄するハローワークで行います。60歳以降の再就職では、要件を満たすと「高年齢雇用継続給付」「高年齢再就職給付金」といった制度の活用も可能のようです。 ■健康保険 定年退職後に別の会社へ再就職する場合は、労働条件などによって健康保険に加入することがあり、75歳を過ぎると後期高齢者医療制度に加入します。仕事をリタイアする場合は、健康保険の資格を喪失するので「任意継続健康保険」「国民健康保険」「ご家族の健康保険(被扶養者)」のいずれかに加入する手続きが必要です。 ■税金 会社員は勤務先で年末調整されているので、一般的に確定申告は必要ありませんが、退職時や退職後は場合によって所得税の確定申告が必要です。退職金を受け取る際は、退職所得申告を記入して会社に提出すると、確定申告は不要になります。 住民税については、退職後すぐに仕事が決まれば特別徴収で給料から天引きで納められますが、そうでなければ一括徴収または普通徴収で納めることになります。