「デフリンピック」でメダル期待 聴覚障がい者バスケットボール「デフバスケ」 競技団体の対立でようやく和解成立 真の解決は今後に
「聴覚障がい者のオリンピック」とも呼ばれる国際競技大会「デフリンピック」が、来年(2025年)東京で開催されます。 中でも「デフバスケットボール」は、メダル獲得が期 待されている種目の一つですが、2022年にあるトラブルが起きていました。
■「デフバスケ協会」前の理事長が提訴
2022年、日本デフバスケットボール協会の理事長に就任した佐知樹一郎氏の選任について、不正な手続きがあったとして、元理事長の篠原雅哉氏が2023年1月に裁判を起こしました。 その後、日本代表で主力メンバーだった5人の選手たちも同様の主張をして協会と対立し、日本代表としてプレーできない事態に陥っていました。 裁判の訴状などによると、2022年2月6日と18日に協会が開いた理事会で不正があったということです。当時、篠原氏は、新型コロナウイルスに感染していて、篠原氏に連絡がないまま、別の理事が「篠原氏が病気で理事の業務ができない」などとして理事会を招集。篠原氏が回復し復帰できるまで協会の定款に基づき理事長代行をおくと通知されました。 「代行理事長」を選任した理事会の後、もう1度理事会が開かれ、ここで篠原氏は理事長辞任に追い込まれました。
■「理事会は無効」と前の理事長
篠原氏側は、協会の定款には「理事会は理事長が招集する」と書かれているため、「召集の権限がない理事によって召集されたものは理事会としての条件を満たしていない」と訴えます。また「新型コロナの症状は軽く、業務ができないほどではなかったので、ウソの理由によって召集されたもので、これも理事会の条件を満たさない」と主張します。 また 、「理事長代行」を「協会の定款に基づき選ぶ」と通知したことについても、実際には、定款に「理事長代行」の規定がないと述べて、理事会で決まったことは無効だと認めるよう、裁判所に求めていました。
■ 「瑕疵(かし)があっても重大ではない」と今の理事長
これに対し佐知氏は裁判で、篠原氏が理事長時代に、日本パラリンピック委員会の助成金申請を怠ったため2021年から助成金の受け取りができなくなったことなどを挙げ、「理事長としての職務内容に問題があった」と指摘し、「理事会招集の手続きに瑕疵(かし)があっても重大ではない」などと主張していました。 篠原氏は、「理事会招集の手続きなどに定款違反があったことは後で知った」と主張しています。しかし佐知氏は、「篠原氏が自ら理事長を辞めたわけだから、今さら理事会の無効などを主張されても困る」と述べ、主張が対立していました。
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