<後半勝負・尽誠学園の軌跡>/2 「終盤逆転」意識し練習 投の柱、エース成長 /香川
2019年夏の県大会で英明に敗れ、1、2年生の新チームとなってからまず取り組んだのが、学校周辺のごみ拾いだ。仲村光陽選手(2年)は「寮に帰ってからスリッパをきちんと並べるようになった」。新チームの主将を任された菊地柚選手(同)も「練習でも細かいところに気付くようになり、視野が広くなった」と効果を話す。気持ちも引き締まり、チームにまとまりが出てきた。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 8月上旬には、滝川第二(兵庫)との練習試合があった。1年の頃からけがに悩まされていた村上侑希斗投手(同)が復帰し、2試合目で久しぶりに登板。「悩む暇があったら練習」とストイックに体作りに打ち込んできたが、その成果を発揮した。1試合目は9点を取られて完敗した相手の強力打線を、6イニング1失点に抑える好投を見せた。 この試合で自信を付けた村上投手は、さらにシャドーピッチングなどに取り組んで制球力を増し、与える四死球も減少。完投でき、試合を作れる投手となった。それまでエースだった仲村選手は4番も務める打線の要で、練習の両立に頭を悩ませていたが、打撃練習に専念できるように。「立派なエースに成長してくれてうれしい」と村上投手に信頼を寄せる。 また、秋の県大会の開幕約1カ月前から、紅白戦で負けているチームに点数を与えて逆にリードさせ、勝っているチームに終盤3イニングで逆転するように西村太監督が課題を与えた。「強豪校に勝つためには、粘り強く守って試合の流れを引き寄せ、終盤に打って得点できるかがポイント」と語る。夏までは“先手必勝”で戦ってきたが、この練習により秋の県大会、四国大会で見せた“後半勝負”の戦い方が生まれることになる。=つづく