辺野古の軟弱地盤の改良工事に着手、66haに7万本の砂杭…国「安定性確保できる」
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、防衛省は28日、大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事に着手した。今後、約66ヘクタールの範囲に約7万1000本の砂杭(すなぐい)を打ち込み、地盤を固める予定だ。改良の工期は約4年1か月を見込む。
同省によると、この日は砂杭の打設に先立ち、作業船で海底に砂を敷く作業を始めた。現場海域では、海中に管を下ろした「トレミー船」と呼ばれる作業船が稼働し、船上の重機が漏斗形の投入口に砂を入れる様子が確認できた。
軟弱地盤は最も深いところで海面から約90メートルに及んでおり、国内で前例のない約70メートルの深さまで改良する。国は「安定性を十分確保できる」としているが、沖縄県は疑問を呈している。
移設工事を巡っては、国が2020年に軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更を県に申請。県が承認を拒否して法廷闘争に発展し、昨年9月の最高裁判決で県の敗訴が確定した。その後も県が拒み、国は昨年12月28日に県に代わって承認する「代執行」を行った。
国は今年1月、大浦湾側の海域で工事を再開し、護岸造成などを進めていた。地盤改良後は一帯を土砂で埋め立て、30年代半ばの移設完了と飛行場の返還を目指している。