『モンスターハンター』シリーズ20周年記念! 辻本良三プロデューサーインタビュー「開発が順調だった作品はひとつもありませんでした」
――その変更は、本当に大きかったと思います(笑)。 辻本 プレイヤーをサポートする「オトモ」としてだけでなく、ゲーム全体にカジュアルな印象を生み出してくれていました。MHは女性ユーザーも多く、カップルや夫婦でも遊んでほしいと意識して作っていますので、アイルーはその入り口にもなってくれているのかなと。 ――さて、来年には、最新作の『モンスターハンターワイルズ』の発売が予定されています。今後、MHシリーズはどういった進化をするのでしょうか。例えばMHWでは精密で多様な自然描写であったり、モンスターごとに違う生態系を観察できたりと、リアルな表現が印象的でしたが、やはり今度もそういった方向性ですか? 辻本 『モンスターハンターワイルズ』に関しては、夏頃に次の情報を出す予定なので詳しいことは言えませんが、シリーズとしては毎回プレイ環境も含めて「どう遊んでもらうのか」「モンハンとしてどう進化していければよいのか」を考えて作っていければと思っています。 ――では、変わらない「モンハンらしさ」の根幹はどこにあると考えていますか。辻本 僕は「ワクワク感」だと思っています。アーケードゲームを作っていた頃から「見て楽しい、遊んで楽しい」作品づくりを心がけているので、今後もそうなるよう作っていきたいです。 思えば、アッという間の20年でしたが、これからもMHシリーズは続いていきます。ゲーム以外でもMHを広めるため、いろんなチャレンジをやっていきますし、いろんな形で触れてもらえるようにがんばりたいですね。 ●辻本良三(つじもと・りょうぞう)1973年生まれ、大阪府出身。1996年、カプコン入社。アーケードゲーム開発に携わり、後にコンシューマーゲームの開発を担当する。2004年、『モンスターハンター』1作目ではネットワークのプランニングや運営などを担当し、2007年の『モンスターハンターボータブル2nd』以降は一貫して同シリーズのプロデューサーを務める 取材・文/ハル飯田 撮影/榊 智朗 ©CAPCOM