競輪界は“復権”の2024年に S級S班返り咲きの平原・郡司と、ピンチ迎える現S班/G1直前賞金状況
2024年の競輪界は、まさに“復権”の年となっている。すでに終わっている二つのGIは、昨年S班から陥落した郡司浩平と平原康多が優勝。“赤パン返り咲き”を決めた。S班はすでに2名の入れ替わりが決まり、賞金争いもダービーを終え本格化。まもなく開幕するGI「高松宮記念杯競輪」を前に、S班9名と獲得賞金上位陣の序盤戦の戦いを振り返りたい。(※賞金は6月5日時点)
平原康多が「涙の復権」
5月に行われたGI最高峰「日本選手権競輪(通称ダービー)」では、昨年末に10年在籍したS班から陥落した平原康多が悲願の“ダービー王”に輝いた。 これで平原は年末のKEIRINグランプリへの出場権を手にし、“赤パン返り咲き”を決めた。昨年の度重なる落車負傷から復活しての「涙の復権」、競輪史にまたひとつ感動のドラマが生まれた。 11日から、前半戦最後のGI「高松宮記念杯競輪」が開催される。直前の賞金状況は、平原のみが獲得賞金1億円を超えトップを独走している状況だ。
すでにグランプリ出場を決めているのは、GIタイトルを獲得した郡司浩平(5位)と平原康多(1位)。S班以外で上位に入っているのは、ダービー準優勝で賞金を大きく積み増した岩本俊介(4位)など。岩本は3月から4月にかけて驚愕の11連勝を挙げ好調が際立っていたが、GIダービーでも活躍。決勝は単騎で2着となった。 ダービー前は5位につけていた北井佑季は7位に順位を落とした。GI全日本選抜、GIIウィナーズカップとビッグレースで立て続けに決勝に進み、次期タイトルホルダー最右翼として迎えたダービーではまさかの二次予選敗退。それでもダービーは白星締めし、グランプリ出場圏内を守っている。
ダービーで順位を上げたのは2022年のS班・吉田拓矢。平原のダービー制覇に貢献し、自身も決勝4着に入った。ダービーでは関東勢の活躍が光り、決勝に進んだ武藤龍生と小林泰正、4日目優秀競走「ゴールデンレーサー賞」を制した坂井洋も獲得賞金は3000万円を超え、上位に入っている。