“昭和の紙芝居”がイタリアで進化 日本の街頭から姿消すも海外で人気に 元アナ・杉上佐智枝が取材
日テレNEWS NNN
街の中心部に、市立図書館や児童書専門店がある本の街・イタリア北部のボローニャで毎年春に開催されている、世界最大の児童書専門展『ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア』。2児の母で、『絵本専門士』として全国各地で絵本の読み聞かせなどを行っている私、日本テレビの杉上佐智枝が現地で取材しました。 【画像】元アナで絵本専門士の杉上佐智枝が、イタリアの絵本事情を取材
世界約100の国と地域から、1500以上の出版社がブースを出すブックフェアで、目に飛び込んできたのは「KAMISHIBAI」という日本語。こちらは、『Artebambini』イタリア紙芝居文化協会のブースです。 懐かしい自転車の“荷台スタイル”のものや、紙芝居もたくさん並んでいました。
そして、日本ではあまり見かけないカラフルでポップな『舞台』と呼ばれる紙芝居用の枠も展示されていました。 私、杉上は、絵本専門士であると同時に紙芝居を研究し、世界中に広めることなどを目的に活動する『紙芝居文化の会』の会員でもあります。 1930年頃に日本で生まれた「紙芝居」。その人気はむしろ海外で高まっていて、ベトナムやヨーロッパなどで“KAMISHIBAI”として人気を博しています。2001年に日本で設立された『紙芝居文化の会』の会員は増え続け、2023年5月現在、日本そして世界56の国と地域で856に及ぶ個人・団体の会員を迎えています。
ブックフェアの会場を取材していると、アメリカ人作家が手がけた“日本の紙芝居”を題材にした絵本を見つけました。
物語は、テレビの発展によって子どもたちの紙芝居に対する関心が失われた日本が舞台。
かつての紙芝居師が、数十年ぶりに様変わりした街に出て昔を思い出していると、当時 紙芝居を見に来ていた子どもたちが彼を取り囲み、一番印象的だった子どもがテレビマンになって現れます。
今も紙芝居が好きだという彼の姿を見た紙芝居師は、翌日も紙芝居を携え、街に出る決心をするというストーリーです。