仏サプライヤー「フォルヴィア」の最新技術は、一見、地味だが内容は濃かった
タッチブレーキパッドは様々な課題を解決できる技術
ヘラーの出展で注目したのが、ブレーキシステムとの物理的な連結がない、ブレーキバイワイヤ式「タッチブレーキペダルパッド」だ。 ブレーキペダルは今も多くがペダルがロッドを介して、機械的にブレーキシステムにつながっている。それを完全な電子制御によって行うのがタッチブレーキペダルパッドだ。そもそもバイワイヤはステアリングやアクセルなどで採用されてきたが、この展示はブレーキでの制御をタッチ式パッドで実現するというものになる。 説明員によれば、完全な電子制御であるために、自動運転機能やブレーキ機能のカスタマイズが自由に行えるだけでなく、ペダルレイアウトを含めたコックピットデザインの自由度を飛躍的に高められるという。とくに軽量素材が使用でき、さらに部品点数の削減につながるため、電動化による重量増が課題となっている電動車にとってもメリットは大きくなる。 会場では、アクセル・バイワイヤで使われている製品と共にタッチブレーキペダルパッドが展示されていた。アクセルの方はペダルの動きが大きいために、操作することによる操作感の違いはほとんどない。 では、タッチブレーキパッドはどうか。手でタッチペダルを押し込んでみたところ、従来のブレーキペダルのような踏みしろがあるわけではない。感覚としては大きなボタンスイッチに近い。これを足の踏み方を変えることでコントールしていくのだ。つまり、完全な電子制御とすることで、ブレーキ機能のカスタマイズが可能となり、あらゆる走行シーンに対応したブレーキ能力が発揮できるというわけだ。 この技術を使えば、電子制御した際のペダルからの手動入力と、自動運転操作時の切り替えや、相互の介入もしやすくなる。さらに言えば、現在はリンク機構などによって機械的に制御を介入させている福祉車両への展開も容易になっていくだろう。タッチブレーキパッドの登場は、運転する行為そのものに新たなメリットをもたらしてくれそうだ。