3度目MVPの大谷翔平は「既存の価値観超えた」 ジャッジと両雄並び立つ意義深い1年
ドジャースの大谷翔平が自身3度目のMVPの栄誉を手にした。「50本塁打、50盗塁」達成で新たな伝説を刻んだシーズン。本塁打王と打点王のタイトルだけでなく、9月に調子を上げ、打率も首位打者と4厘差の3割1分をマーク。メジャーでも超一流の打撃成績を残した。 【写真でみる】大谷翔平は真美子夫人や愛犬デコピンと受賞喜ぶ 専門局の番組に出演 6月以降、「1番・指名打者」に定着し、新たな攻撃のスタイルを確立した。米大リーグの歴史に詳しい野球文化学会会長の鈴村裕輔氏(名城大准教授)は得点がリーグトップの134と突出していた点に着目し、「盗塁によって本塁へ生還する可能性を高め、勝利に大きく貢献した」と指摘した。 初めてMVPを受賞した2021年は投打での活躍が往年の名選手、ベーブ・ルースとも比較され、米球界でも途絶えていた本格的な「二刀流」をよみがえらせた。23年は投手として10勝を挙げる一方、44本塁打で初の本塁打王を獲得し、アジア選手は非力というイメージを覆した。今季は「走」「攻」で群を抜く存在感。3度目の受賞で米国野球殿堂入りにも大きく前進し、鈴村氏は「何度も常識を打ち破り、既存の価値観を超えた選手になった」と評した。 ア・リーグMVPはジャッジが獲得。大谷と同じく満票で受賞した。22年にエンゼルスに所属していた大谷はジャッジとMVPを争ったことがあったが、リーグ本塁打記録を塗り替えていたジャッジに軍配が上がった。今回は大谷がドジャースに移籍したことで、「米球界の顔」である2人がそれぞれMVPを獲得。鈴村氏は「両雄が並び立つ意義深いシーズンになった」と振り返った。(丸山和郎)