製麺の端材をビールなどに
愛知県蒲郡市の金トビ志賀など
愛知県蒲郡市丸山町の乾麺製造「金トビ志賀」は、アサヒグループのサステナビリティ事業「アサヒユウアス」(本社、東京都)と協力し、製粉製麺の製造で発生するきしめんの端材などをクラフトビール(発泡酒)やリユースカップに生まれ変わらせ、製造ロスの課題解決に取り組んでいる。【林大二朗】 金トビ志賀の製造工程では年間ベースで、きしめんの端材7㌧、小麦のふすま750㌧、小麦粉の銘柄を切り替える時に起きる原料ロス9㌧が発生している。いずれも家畜の餌としてリサイクルされてきた。 原材料が高騰する中で、無価値な素材としてではなく、原料の有効活用できる方法を模索していた。昨年頃、県のサーキュラーエコノミーのチームを通じて、地域連携でのアップサイクル商品開発の実績があるアサヒユウアスとつながることができた。 2者は今年1月から、端材を活用した新たな商品を生み出す取り組みを始め、リユースカップ「森のタンブラー」とクラフトビールの開発を進めている。ビールは小麦由来のさわやな香りと酸味をベースに、蒲郡特産のミカンの規格外品をパウダーにして加えた。アサヒユウアスを中心に仕込み作業をしている。 タンブラーは小麦のふすまとリサイクルプラスチックを組み合わせて作った。丈夫で壊れにくいほか、ほのかに小麦の香りがする。また、碧南市の企業と連携し、耐水性がありながら食べられる容器「もぐカップ」の開発も進めている。 今後は市サーキュラーエコノミー推進事業の実証実験プロジェクトのサポートを受け、市場受容性と事業として成り立つかのテストマーケティングをし、検証する。25~27日には、東京ビッグサイトで開かれるサステナブル、ライフスタイル展示会「GOOD LIFE フェア2024」に出展し、ビールをテスト販売する。タンブラーと容器の展示販売も考えている。
東愛知新聞社