なぜ哲学は多くの人が挫折する学問なのか? 初心者でも哲学のいろはがわかる学び直し法
ただ、これで終わりません。まだまだ難しくて何を言っているのか全然わからない記述も多いでしょう。そこで、次のステップです。 ■哲学書:複数人で哲学書を読んでみる これはいわゆる読書会です。自分だけで読んでもいいのですが、誰かと一緒に読むと、継続的に哲学書を読む機会を作れます。それに、良くも悪くも自分のペースで進まないので、ちょっと課題化・業務化するような感覚があります。 自分1人で読んでいたらそのまま読み流すようなところに誰かが妙に関心を持ったり、その反対もあります。読書会を通じて、あらためて哲学書の特定の箇所を読み直したり、別の解説書を読んでみるきっかけが生まれます。
読書会というと有志で集まった人たちによるグループのイメージですが、たとえば専門家による講義に参加してみるということも1つの手です。カルチャーセンター的なイメージですね。気に入った入門書の著者がどこかで講義をしているようでしたら、気楽に参加するのもありです。たいていの場合、講義1回分は、飲み会1回分より安いですから、そんなに思い切る必要もありません。 ちなみに私ネオ高等遊民も哲学書の読書会をよくやっています。その経験から、読書会へ参加するにあたっての心構えやコツを挙げるとすれば、次の2つです。
①一定期間にわたって複数回参加する ②質問や考えを1回でいいから発言する ①は、当たり前のことですが意外とできません。継続的に参加するのがやはり大切です。そして、②ですね。聞くだけではなく参加するということです。どんな的外れな質問だとしても、やはり自分なりに理解することが大切です。それには発言することが効果的です。発言するだけでなぜか記憶にやたら残るので、ぜひ発言しましょう。 次はライブ感のある学び方を紹介します。
■対話:哲学対話や雑談を聞いてみる これは、いわゆる哲学カフェへの参加だったり、YouTubeやSNSでの生配信を聞いてみたりということです。トピックが限定されていますし、トークには無駄話も多いでしょう。ですから、これまで述べてきた勉強的な学びにはならないのですが、誰かが哲学に関することを生き生きと話しているのを目撃するという経験は、自分の学習意欲を刺激してくれることがあります。 しかもオンライン上なら気軽に視聴・参加できますから、タイミングが合えば、いわゆる「作業用BGM」的につけっぱなしにしておいてもいいでしょう。