セブン&アイ創業家、急ピッチでMBO準備-クシュタールに対抗
一族の顔ぶれ
MBOにはばく大な資金が必要になるが、ブルームバーグの「ビリオネア指数」によると、伊藤家の資産は約48億ドル(約7400億円)と推定されている。
一族の何人かはセブン&アイとの関わりを持つ。順朗氏は学習院大学を卒業後、1990年にセブン-イレブン・ジャパンに入社した。2009年にセブン&アイの取締役執行役員に就き、5月から副社長を務める。
順朗氏の兄である裕久氏は、イトーヨーカ堂の専務まで上り詰めたが、00年代の初めに退職したようだ。現在は麗澤大学の客員教授であり、伊藤謝恩育英財団の評議員も務める。伊藤興業の取締役でもある。
裕久氏の息子である弘雅氏は、コンサルティング会社やヨークベニマルなどでの勤務を経た後、現在はイトーヨーカ堂で取締役執行役員を務める。
クシュタールの買収提案に対して創業家は静観せず、MBO提案という対抗策を講じ、一族とセブン&アイの関係性は変わり目を迎えた。仮にクシュタールが買収提案を撤回した場合でも、創業家によるMBOが実行されるのか。今後の焦点となりそうだ。
--取材協力:鈴木英樹.
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Filipe Pacheco, Koh Yoshida