累計ダウンロード数6000万!キノコの日に思い出す…大ヒットアプリ『なめこ栽培キット』のいま
ファンが集う、年に1度のお祭り「クラファン」
アプリの主なファン層は30~40代の女性が多く、次に10~20代の男女が続く。当初のようなブームは落ち着いてきたものの、現在も根強いファンが多いという。 「ユーザーの中にはゲーム自体を好きな方もいますが、キャラクターに愛着を持ってゲームを長く続けている方も多い」 と伴さんは分析している。’19年より毎年行っているクラウドファンディング(以下、クラファン)は、ファンにとって年に1度のお祭りのような場所になっており、大きな盛り上がりを見せていることからも、なめこ自体が愛されていることがわかる。 「ありがたいことに、これまで取り組んできたクラファンのプロジェクトはどれも好評でした。 特別ななめこグッズが手に入るということもありますが、クラファンの画面で、支援者の人数の多さや支援金額の額をみて、自分と同じように熱量の高いファンが大勢いることを実感しているようです」 ◆ファンコミュニティ形成のきっかけは2つのターニングポイント 「初めてのクラファンは、’19年に行った4コマ漫画の『なめよん』の単行本化を掲げたプロジェクトでした。この本は一度、出版社から発売されたのですが、当時すでに絶版になっていまして、ファンからの続刊を望む声は多かったのですが、再び書籍として刊行することが難しかったので、クラファンで実現しようと思ったんです」 4コマ漫画の再単行本化プロジェクトは開始わずか3時間で目標金額の300万円を達成し、最終的には約2300人の支援者を募り、支援総額は約1200万円で着地した。この成功を受けて、社内で2回目のクラファン挑戦も決まった。 「最初のクラファンは『なめよん』の単行本の再発行という目標がありましたが、2回目は目標がないまま挑戦することが決定しました。 ただ、この話が出た時はすでにキャラクターグッズ等を販売するリアル店舗の『なめこ市場 東京本店』の閉店が決定していたので、グッズを販売するということはすぐに決まりました。しかし、クラファンを単なるグッズ販売だけの場にすることに疑問があったので、改めて目的を再検討しました」 「なめこ市場 東京本店」はグッズ販売だけでなく、リアルで顔をあわせられるファンコミュニティの拠点でもあり、運営側にとってもファンとの重要な接点だった。