ウォール街CEOに多額のボーナス、トランプ氏勝利で金融株急伸
(ブルームバーグ): ドナルド・トランプ氏のホワイトハウス復帰が決まり、ウォール街の権力の中枢は既に多額のボーナスで潤い始めている。
投資銀行や買収専門会社がトランプ次期大統領の掲げる規制・税制政策アジェンダから大きな恩恵を受けるとの観測から、ゴールドマン・サックス・グループの株価は急伸。今後数週間にわたって上げを維持すれば、デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)はいずれ特別賞与を受け取る。現在の業績水準では少なくとも5000万ドル(約76億3200万円)となる見込みだ。
買収専門会社カーライル・グループの株価は6日に10%急伸。ハービー・シュワルツCEOの下での高値を更新した。この水準近辺をさらに1カ月維持すれば、同CEOには契約ボーナスからさらに5000万ドルが支給される。6日の株価上昇でJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOの保有株の価値は約1億9000万ドル増加。同CEOの残留特別パッケージの価値も4000万ドル近く増えた。
トランプ氏勝利後の数時間は金融株が上げを主導。企業買収の政府審査が弱まり、銀行規制が緩和され、法人税減税が進めば、同業界が恩恵を受けるとの期待からだ。バイデン政権下の反トラスト(独占禁止)当局が消費者の利益を損なう恐れのある企業合併・買収(M&A)に待ったをかけてきたことで、今年のM&A取引は低迷していた。
トランプ氏が返り咲きを決めるまでの数年間、これら企業のCEOは目標に向け大きな進展を遂げていた。プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社TPGの株価は、年初から11月5日の米大統領選の開票前までに41%上昇。翌日さらに11%上げ、ジョン・ウィンケルリードCEOの長期株式報酬から6500万ドル分の追加支給がトリガーされる水準を上回った。
実際、投資家が賭けを転換し始めたことにつれて株価が上昇し、選挙前から一部の賞与は確定していた。