〔NY外為〕円、155円台前半=3カ月半ぶり安値(13日午前11時45分)
【ニューヨーク時事】13日午前のニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ局面に不透明感が広がる中を円売り・ドル買いの流れが強まり、円相場は一時1ドル=155円25銭と、前日に続き再び3カ月半ぶりの安値を付けた。午前11時45分現在は155円20~30銭と、前日午後5時(154円57~67銭)比17銭の円高・ドル安。 米労働省が13日発表した10月の10月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.6%上昇。伸びは7カ月ぶりに加速したが、市場予想と同水準だった。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.3%上昇と、伸び率は前月から変わらなかった。市場が事前に懸念していたほどインフレの加速が見られなかったことでひとまず安心感が広がり、米長期金利が低下。日米金利差の観点から円買い・ドル売りが優勢となった。ただCPIの消化が進むと、基調的なインフレ圧力は根強いとの分析からドルを買い戻す動きも入った。市場では、トランプ次期米大統領が掲げる減税などの政策がインフレ再燃を招き、FRBが利下げに動きづらくなるとの見方もくすぶる。 ダラス連邦準備銀行のローガン総裁は13日の講演で、米経済は持続的な雇用最大化と物価安定をもたらす状況に近づいているとした上で、FRBは追加利下げを行う必要がある可能性が高いとの認識を示した。一方で、利下げが行き過ぎれば、利上げに転じる必要に迫られかねないとも指摘。積極的な利下げに慎重と受け止められたことも、円売り・ドル買いにつながった。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0570~0580ドル(前日午後5時は1.0619~0629ドル)、対円では同164円00~10銭(同164円25~35銭)と、25銭の円高・ユーロ安。