「ヘアスタイルを変えろ」石川真佑を覚醒させた女子バレー眞鍋政義監督“驚きの提案”「髪型を変えれば活躍できる…ポニーテールにしろ!」
古賀の穴を埋めてもらうため、ひらめいたこと
大会はまだ序盤。ここでエースとキャプテンを同時に失ってしまったダメージはあまりにも大きい。しかし、次は中1日でブラジル戦が待っている。途方に暮れている暇はない。古賀の穴を埋められる力を持つのは石川だけだ。なんとかして彼女に巣食う負のイメージを取り払わなくてはいけない。何かいい方法はないものか......。 ホテルの部屋に戻り、考えあぐねていたとき、ふいにひらめいた。 「髪型だ!」。私は女性のヘアスタイルのことがさっぱり分からない......というのはすでに述べたとおり。そのことでたびたび女性からヒンシュクを買ってきた。逆に言えば、それだけ女性は髪型を大切にしているということだ。失恋したときは髪型を変えて心機一転するという話もよく聞く。
「ヘアスタイルを変えろ。ポニーテールにしろ」
イチかバチかだが、これしかない。私はすぐに石川を呼んだ。 「古賀が捻挫してブラジル戦に出られない。スタートは真佑、おまえでいく。でも、このままじゃ活躍できないと思う」 石川は神妙な顔で聞いていた。 「でも、ひとつだけ変われる方法がある。おまえも活躍したいやろ?」「はい」「俺を信用するか?」「はい」「じゃあ、髪型を変えろ」「は!?」「ヘアスタイルを変えろ」「え!?」「俺を信用しろ。髪型を変えれば必ず活躍できる。ポニーテールにしろ」「ポニーテール、ですか......」 石川は怪訝な顔をしていた。でも、真面目な彼女は「分かりました」と言って引き上げていった。ポニーテールと言ったのは、女性の髪型で私が唯一知っているのがポニーテールだったからだ(苦笑)。 髪型を変えれば活躍できるーー確信があったわけではない。ただ、何かを変えなければいけないことだけははっきりしていた。彼女の心のモヤモヤを取り払うには、ある種の暗示も必要。そこで、「絶対活躍できるから信用しろ」と断言したのだ。 練習のときはいままでと同じ髪型だったが、試合会場に入ると石川は変身していた。
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